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ボッティチェッリ《聖母子と天使》を見てきました [美術]

11月27日(木)、仕事で名古屋まで行きまして、その用事は1時頃には終わるので‥‥

前回、9月に名古屋へ行って愛知県美術館の「タイムスケープ展」を見てきたことはこちら
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2008-09-18

前回は、せっかくなので美術展を見ようと思ったのですが、どこへ行くか、
当日まで迷っていました。しかし、今回は、行きたい美術展が決まっていました。

それがこちら――松坂屋美術館の「イタリア美術とナポレオン」展
botticelli.jpg
ボッティチェッリの《聖母子と天使》をぜひ見たいと思っていたのです。

ボッティチェッリは、私の一番好きな画家です。
‥‥好きな画家はたくさんいます。一人を挙げるのは迷いますが‥‥
「クリムト」も捨てがたいのですが、やはり「ボッティチェッリ」と答えるのではないかと。

しかし、このチラシでは「ボッティチェッリ」となっているので、ここではそのように記していますが、
私の持っている画集では「ボッティチェルリ」、他に「ボッティチェリ」と書かれているのもよく見ます。
「小さな樽」という意味のあだ名だそうです。

《春》や《ヴィーナスの誕生》はあまりに有名で、あちこちで使われて、手垢まみれのような
状態ではありますが――《ヴィーナス》は、パソコンソフトを立ち上げる度に顔を見ます――
やはり、あのなんともいえない微妙な表情がいいです。なんか甘美な詩情を感じるんですよね。
ちょっと装飾的なところもまた魅力。

ボッティチェッリは、死後まもなく忘れられたような状態であったのを、再評価したのは、
19世紀イギリスにおいて、「ラファエル前派」の画家たちが、ラファエロが活躍した
16世紀の盛期ルネサンスの芸術よりも、その前の初期ルネサンスの芸術を見直そうという
運動を起こして、忘れられていたボッティチェッリが注目されるようになったとのこと。

ラファエル前派の画家たちも私は大好きですが――彼らが描く女性は、なにか甘美で物憂げで、
とても魅力的です――彼らがボッティチェッリを評価していたというのはわかる気がします。
両者の絵は、ちょっと不健康というか、そんな魅力を感じるんですよね。
ラファエロの絵はあまりに完璧で、それがかえって面白みがないというか‥‥ 

そんなことで、私はこの展覧会に行くのをとても楽しみにしていました。
松坂屋美術館のホームページ http://www.matsuzakaya.co.jp/museum/museum.html の、
「イタリア美術とナポレオン」のページ http://www.matsuzakaya.co.jp/museum/ItalyArt/
から、しっかり200円引き券もプリントアウトしましたし(一般入館料1000円が800円になりました)
で、仕事(会議)が終わって、昼食もとらずに展覧会場へ。

‥‥だけど、うーーん、期待が大きすぎたせいか、ボッティチェッリの絵の前に立っても、
なんか、思ったほど感動しなかったんですよねぇ‥‥
この作品はボッティチェッリ20歳頃の作品とのことで、
師のフィリッポ・リッピの《聖母子と二天使》の絵にとても影響されているとのこと。
ちょっと聖母の顔が‥‥というのと、床(?)のもやもやとした処理や、
クリスマスの飾りのような花環の処理などが気になった。花環に飾られているのはザクロで、
キリスト受難を表すとか、ここは閉じられた庭となっていて、それは聖母の純潔を表すとか。
‥‥でも、この記事を書くために、展覧会のチラシを見直していると、この天使の横顔や、
薄い衣装のひだなど、あー、やっぱいいなぁ‥‥と思えてきました。

並んでいる他の絵画が、ちょっと雑多な印象で、なんか、暗くて、おどろおどろしい作品が
多かったのも、このボッティチェリの絵に、あまり感動できなかった一因だったような気がする。

ルネサンス期には、絵画は均一な光が当たっているように描かれたが、
その後、バロック期になると、ドラマチックな効果を高めるために、
スポットライト的な光の使い方をしているとかいう説明があったが、
そのために、私にはちょっとグロテスクと思えるような表現になっていた。

特に、果物などを描いた静物画は、日本画の静物画とは全く違う感覚だなぁ‥‥と。
確か、果物は腐るということから、はかなさを象徴しているとかいう説明があったような気がするが、
‥‥この絵から「はかなさ」?? これでもかというほどねちっこく描きこまれて、
なんか気味悪さを感じるのだけど‥‥

この展覧会は、ナポレオン生誕の地、コルシカ島にあるフェッシュ美術館の収蔵品とのこと。
ナポレオンの母方の叔父であるジョゼフ・フェッシェ枢機卿(1763-1839)個人のコレクションを
基礎として設立されたそう。なので、17世紀・18世紀のイタリアの宗教画や世俗画に加えて、
ナポレオン一族を描いた肖像画などが展示されていた。

私には、ボッティチェッリ以外に知っている画家はありませんでした。
フランソワ・ジェラールという画家が描いた《戴冠式のナポレオン1世》は、
去年の岐阜県美術館の「大ナポレオン展」で見たような気もするが‥‥
と、その時の記事や、http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2007-12-20
岐阜県美術館のチラシを見ると「フランソワ・ジェラールの工房」となっていました。
あの有名な、ダヴィッドの《サン・ベルナール峠を越えるボナパルト》も、
世界に5つあるそうだし、おそらくこの肖像画も工房でいくつも描かれたのでしょうね。

他に私がいいと思った絵は、ジョヴァンニ・ベッリーニの《聖母子》という作品(1460-80年頃)
祈りの対象として描かれたと思われる、おだやかで美しい聖母子の絵で、
金地に釘で模様をつけたようにして光背を描いていて、それがとても神々しい。
‥‥これは「イコン」と呼んでいいんだろうか?‥‥

神がアブラハムの信仰を試すために、息子イサクを犠牲にするように命じたため、
アブラハムが息子イサクに小刀を突き刺そうとする時、
天使がアブラハムの手を押しとどめている場面を描いた絵は、
若々しいイサクの血が透けるような肌がきれいだなぁと思って見た。
しかし、私はキリスト教についてよくわからないのだけど、旧約聖書のこの話を知った時には、
砂漠の神は厳しいなぁと思った。この絵を見て、異教徒の私は、こんな美しい息子を殺せなんて、
いくら神の命令でも聞けないし、そんな神なんか従わないと思ってしまうのだけど、
善きキリスト教徒はこの絵を見て、何を思うのだろうか?

松坂屋名古屋店南館7階にある美術館を出て、6階の画廊で
小暮真望版画展や平野千里極彩色木彫展などを見て、松坂屋を出た。
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吹き抜けには、もうクリスマスツリーが飾りつけてある

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久屋大通公園から見た松坂屋 遠くにテレビ塔も見える

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100m道路の真ん中にある久屋大通公園

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船のオブジェの下に、カフェを発見

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さすがにお腹がすきました。カフェは、セルフサービス式で、コーヒー220円とリーズナブル。
サンドイッチとドーナッツと一緒にいただきました。

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地下鉄代節約のため、大須の商店街を通って、

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大須観音にお参りして、大須観音から地下鉄鶴舞線で名鉄犬山線で上小田井に抜けて帰りました。

もう松坂屋美術館に行ってから、10日以上経ってますねー。
私にしては忙しかったのと、なかなか文章がまとまらなくて、こんなに遅くなってしまいました。
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コメント 3

しーちゃん

スーさん、nice! ありがとうございます。
by しーちゃん (2008-12-10 23:47) 

ラナヤー

ボッティチェリ。大好きな画家です。
ウフツィ美術館で、ビーナスの誕生などを観ました。
日本に今まで観ていない絵がやってきたということで、
楽しみです。
この記事は大変参考になりました。

今、北九州市立美術館で公開されているようです。

ありがとうございました。


by ラナヤー (2009-01-08 04:56) 

しーちゃん

ラナヤーさん、コメントありがとうございます。ウフツィ美術館に行かれたんですか!うらやましい!! 私はこの《聖母子と天使》が初めての"生"ボッティチェッリです。期待が大きすぎたのか、ちょっと素直に感動できなかったような気もしますが、この記事を書くためにチラシを見直していて、やはりいいなぁーと。いつかビーナスの誕生を観てみたいです!
by しーちゃん (2009-01-11 22:59) 

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