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岡崎二郎『まるまる動物記(2)』 [岡崎二郎]

1年ぶりに、岡崎二郎センセの新刊が出るってんで楽しみにしてたんです。

『まるまる動物記(2)』

まるまる動物記(2)<完> (アフタヌーンKC)

まるまる動物記(2)<完> (アフタヌーンKC)

  • 作者: 岡崎 二郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/04/05
  • メディア: コミック



『まるまる動物記(1)』が出て、ちょうど1年。
1巻の感想はこちら:http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2012-04-13

「good!アフタヌーン」に連載された作品で、
2ヶ月に1話しか載らないし、その1話が14~18ページなので、
単行本になるまで時間がかかるんですよね。

その「good!アフタヌーン」での連載も終わってしまい、
第2巻には第11話から最終話となる第24話までの14話が収録されています。

第1巻は10話で648円(税別)でしたが、
第2巻は14話で743円(税別)です。
この値段が「安い!」って思える程の内容が詰まってます。

まず最初の第11話「心が通じあうはなし」
動物の心を理解することはできるのか?
二郎センセはまず17世紀の思想家デカルトの言葉を出します。

 17世紀の思想家デカルトは言う
「動物には精神(魂)がなく
 知覚も感情もない
 だから動物が虐待によって
 悲鳴をあげても
 それは機械的な反応であって
 我々が思うような苦痛を
 感じてのことではない」


ええ~~っ?!!!デカルトがそんなこと言ったの?!!!
二郎センセは続けてこう言います。

 現代の私たちにとっては
 のけぞるようなコメントだが
 実のところ
「動物に感情はない」
 という部分については
 それを否定する証拠はないのだ

 では 感情とは一体何だろう??


と、動物と「遊び」について、動物の「きずな」について、
動物と人間の「きずな」について‥‥と考察は進む。
こんな動物についての無駄にマニアックな話が
二郎センセの端正で可愛らしい絵で描かれていくのは1巻と同じです。

1話ごとに生物学者・池田清彦氏の「『まるまる動物記』につっこむ!」という
2ページの解説というか、つっこみの文章が入るのも1巻と同じ。

なので、なんか科学番組か大学の授業でも聞いているようなカンジのマンガって言うか。

第13話「白兎の話の本当のはなし」なんて、論文としてもすごく面白いと思った。
「因幡の白兎」でウサギに騙されたのはサメか?ワニか?

 原典である「古事記」や「因幡国風土記」では
 ウサギに騙されたのはサメではなくワニ(和爾)となっているのだ

 教科書では“サメ”となっている

 その根拠は
 日本にワニがいないことと
 山陰地方の方言ではサメのことをワニと称するからである
 歴史学者の喜田貞吉(きた さだきち)は
 明治の国定教科書で
 初めて「因幡の白兎」のワニを
「ワニザメ」と表記した

 以来 ウサギに騙されるのは
 サメであると一般に知られるようになったのである


なるほどー。私もサメの絵とワニの絵とどちらも見たことがあるような気がする。

 実は東南アジアには
「因幡の白兎」と似た民話がある


とのこと。そこでは、

 カンチルという
 ウサギほどの小鹿が登場して
 ワニを騙すのである


等、類型的な話が各地に存在するそう。

 こうして見ると
 川に一列に並ぶワニの
 シチュエーションは いかにも
 自然でありそうな話だ


うんうん、海に並ぶサメってのはちょっと無理がある?
‥‥と、すごく知的好奇心が刺激される話なんですよね。

他にも、寄生の話とか、立派な巣を作る鳥の話とか、面白いなって
思う話があるんだけど、だんだん読んでいくのが面倒になってくるんですよね。
小難しくなり過ぎて。とにかく文字が多いし!

うーん、二郎センセ、これは力作ではありますが、
打ち切りになるのも分からないでもない‥‥

でも最後の2話は、人間が出てくることもあって、
岡崎二郎らしい話(『アフター0』のような)にまとまってると思います。
こういう話、もっと読みたいなぁー。

特に最終話が、ちょっと自虐的なところも含めて面白かった!

 哲学入っちゃってるし――

って、アシスタントに言わせてるけど、ハハハ。

ラストのヒネリもなかなか壮大で面白かったです。傑作ですね。

二郎センセの新作マンガ楽しみにしてますからね!

でも、この『まるまる動物記』1巻も2巻も、じっくり読めば読むほど、
知的好奇心がかきたてられて(無駄にマニアックな知識もいっぱい!)
いろいろ考えさせられるマンガだと思います。
この値段は安いですよ!

まるまる動物記(1) (アフタヌーンKC)

まるまる動物記(1) (アフタヌーンKC)

  • 作者: 岡崎 二郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/04/06
  • メディア: コミック



タグ:岡崎二郎
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