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岐阜県美術館「ゆるり日本画 絵の中の旅」展 [美術]

7月24日(日)岐阜県美術館へ行きました。
「北海道立近代美術館コレクション
 ゆるり日本画 絵の中の旅」展 という企画展をやっています。
hokkaido-art.jpg

私は、岐阜県美術館の後援会員になっているので、
企画展毎に1回ずつ無料で入れるんです。
(更に、岐阜県現代陶芸美術館の企画展も1回ずつ入れるんですよ! 
 年会費3,000円はなんておトクなんでしょう!!)

展覧会の案内が送られてきて、会期中の催し物として
7月24日(日)に美術講座があることを知って、
どうせならこの日に行こうと思いまして。

岐阜県美術館の庭園では「ながれミながら」というイベントも
やっていたのですが、そのことは次の記事で書こうと思います。

後援会員証を見せて、展示会場に入ると、最初に展示されていたのが
橋本雅邦《十牛図》掛軸に牛と牧童の10の場面が描かれています。
牛は禅の悟りを表すとか。なんかマンガのコマ割りにも見えるような。
でも、この絵は下から見て行くようです。
何も描かれていない絵も十のうちの一場面(8番目)なんですね。

hokkaido-art-2.jpg

次が横山大観と下村観山がそれぞれ陶靖節(陶 淵明)を描いた双幅の掛軸。
チラシ裏面下段左の絵がその左幅の横山大観《陶靖節 幽篁弾琴》
おぉ! なんて豪華な! ‥‥なんですが、私、やっぱり
横山大観のスゴサってよくわかりません。
この双幅でも、下村観山の方が(比べれば)好みだなぁと。

小茂田青樹、松林桂月、結城素明‥‥と、
名前は聞いたことがある(ってことは大家なんでしょうね)画家の絵が並び、
まぁ、それぞれ典雅で上品な絵だなって中で、印象に残ったのが、

松岡映丘《花のあした》
しどけない恰好をした女性が障子を開けて外を見ています。
障子の隙間から見える室内の鏡台とか、
庭の、盛りを過ぎた桜の花とか、なんか意味ありげで、
物語の一場面のようで、いろいろ想像してしまいました。
この後の美術講座で、松岡映丘は新たな大和絵の画家だと。

その松岡映丘や山口蓬春、小村雪岱、長谷川路可らが
一月(正月)から十二月のそれぞれの季節らしい絵を描いた
十二ヶ月連幅の掛軸もありました。

わりとジミ(?)な最初の展示室で、鮮やかというか目立ったのが、
久本春雄《鹿》1935年
鹿が2頭、金地に蓮の花や藤(花ではなく実がぶら下がっている)の
中に座っているんですが、花など写実的に描かれているのに、
なんか幻想的で装飾的なところ気に入りました。

展示室1-Dのガラスケースの中には、
竹内栖鳳《家兎》(チラシ裏面中段左)が。
さすがです!! この間、桑山美術館「カワイイ!日本画」展で見た
堂本印象のウサギの絵は毛の一本一本まで精細に描き込まれていたけど、
この絵はそのあたり あっさりと描いたようにも見えますが、
ウサギの柔らかさ、愛らしさが見事に表現されています。

展示室1-Dの反対側のガラスケースには、
岐阜県美術館が所蔵する川合玉堂と加藤栄三の絵が
特別出品されていました。どちらも北海道とつながりの深い画家だと。

そして、北海道立近代美術館らしい(岐阜県美術館もそうですが、
公立の美術館はやはり郷土の作家の絵を収蔵しますよね)
道産子の画家たちの絵

私は片岡球子、山口蓬春以外はほとんど知りませんでした。

本間莞彩(ほんま・かんさい)《幌都の冬(こうとのふゆ)》1949年
札幌の雪景色。レトロなビルや街並み、行き交う人々が
しっとりした風情でいいなって思いました。

本間莞彩《夕陽の北海》1957年 流氷の海が描かれているけど、
海も人物もカラフルで、なんかあったかなカンジ。

北上聖牛《はなれ国の初夏》1916年 六曲一隻の大きな屏風に、
海辺に干された網と漁師たちが描かれていて、力強い絵。

同じ北上聖牛《晴間》1928年 は、タイトルとはうらはら(?)に
暗いバックの中に、白鷲と、下の草木にはカワセミが描かれていて、
とても優雅で、私、こういう絵が好きです。

山口蓬春《向日葵》1955年(チラシ裏面中段右)
向日葵も素敵だけど、この壺もいいなと。

森田沙伊(もりた さい)の絵が7点展示されていました。
初期の《さだ子座像》1924年 は古風な少女の絵で、
《仔馬》1960年 とか、犬を描いた絵は、キュビスムとかの影響もある?
(あ、私は全くシロートなので、見当違いかもしれないけど)
モダンな雰囲気の絵で、いろんなスタイルの絵を描いた画家なんだなぁと。

菊川多賀(きくかわ たか)の絵は8点展示されていました。
この人の描く女性、ちょっと特徴的ですね。どこかで見たことあるなぁと。
《回想賦(大正五年頃)》1984年
早くに亡くなった母と姉の真ん中に子どもの自分を描いた絵。
画家自身もずっと病気と戦いながら絵を描いてきたそう。
早世した肉親への画家の思いが感じられました。

道産子の日本画家の絵が、それぞれ数点ずつ
まとまって見られるのが良かったです。

やはり一番出品数が多かったのが、片岡球子で、なんと20点!!
私、2009年に松坂屋美術館で開催された「片岡球子展」や、
去年、愛知県美術館「片岡球子」展へ行きましたが、
そこで見た絵も多かったです。
(片岡球子の画業をたどる時に外せない絵なんでしょうね)
《学ぶ子等》《炬燵》《初夏》
そしてチラシ表面にも使われている《山(冨士山)》
男や、裸の女性が描かれていて、なんでこれが桜島?って《桜島の夜》
(松坂屋美術館の展覧会で買った図録には、桜島の石の下で人が
 死んだりしたと聞いて、この石をみんな生き物にしてやれと思って
 描いたのがこの絵だと説明がありました)
《伊豆風景》に描かれているのはイルカのいるプールだというのは、
この後の美術講座で知りました。この絵のスケッチも見せてもらいました。
の6点は見るの3回目かな。

松坂屋美術館の「片岡球子展」で見た絵が、
《レースを編む少女》、滝が描かれている《富士》
《羊蹄山の秋色》

愛知県美術館「片岡球子展」で見たのが、
《八風不動》《阿波風景》《雅楽(女神と胡飲酒)》
《面構 浮世絵師歌川国芳と浮世絵研究家鈴木重三先生》

龍をバックにした《葛飾北斎》(チラシ裏面下段右)は初めてかな。
北海道立近代美術館、こんなに片岡球子の作品を所蔵してるんだ!!
って驚きました。

岩橋英遠(いわはし えいえん‥本名は「ひでとお」‥と読むそうです)
の絵がまとまって展示されていました。私この方知らなかったんですが、
チラシに
横山大観、竹内栖鳳、山口蓬春、岩橋英遠、片岡球子…近代の巨匠と道産子の作家
ってあるくらいだから、道産子の作家の巨匠なんでしょうね。
展覧会の図録の表紙がこの人の絵《虹輪(南溟を翔る)》(チラシ裏面下段中)でした。
初期の《駅(青梅口)》は、1937年(昭和12年)に描かれた新宿駅青梅口の風景。
モダンな服装の女性なども細かく描かれていてすごいなって思いました。
が、ブロッケン現象を描いた三点組の
《虹輪(極圏を飛ぶ)》
《虹輪(来迎)》
《虹輪(南溟を翔る)》
あたりの絵は、なんかぼんやりしたカンジって‥‥あまりじっくり見なかったのは、
美術講座の時間が迫ってきてアセってたこともあるかも。
北海道の地図やエゾシカ、ヒグマ、ツルをバックに立つ人物を描いた
四曲一隻の屏風《憂北の人》もあっさり見て通り過ぎてしまいましたが、
描かれている人物は、「北海道」という名前をつけた「松浦武四郎」だと
後の美術講座で知りました。

福井爽人(ふくい さわと)の絵が4点ありました。
院展にはチケットをいただいた2012年に一度だけ行ったことがあります。
松坂屋美術館・マツザカヤホール「院展」
その時に、素敵だなって思った絵の1枚が福井爽人でした。
穏やかな、祈りのような精神性を感じるような絵を描く人ですね。
チラシ裏面上段の《北の岬》もいいけど、
ブルーの中に牛(?)が佇む《杜》が気に入りました。

出口近くにあった
羽生輝(はにゅう ひかる)《北の岬(知床)》
この人の絵はこれ1点しか展示されていなかったけど、
厳しい自然の風景がとても迫力がありました。

1時半からの美術講座にぎりぎりの時間に入りました。
展示会場も日曜日なのにゆったり見られましたが、
講座のある講堂もゆったり‥‥
講師はこの展覧会の企画担当学芸員・青山訓子さん

この展覧会、名古屋ボストン美術館を皮切りに、全国を巡回してきて、
この岐阜が最後なんですって?! 名古屋ボストン美術館わりと
行くのに知りませんでした!(良かった、そっちへ行ってなくて)
ネットで調べたら、展覧会のタイトルも少し違って
名古屋ボストン美術館で2013年10月19日(土)~12月1日(日)
「日本画を彩った巨匠たち」という展覧会だったそう。
そして展示数はボストン美術館より岐阜の方が多く、
岐阜県美術館では図録に載っている全ての作品が見られるそう。

講座では、まず「日本画」って何かってことを説明されました。
なんとなーく、油絵じゃない、日本の伝統的な絵みたいなイメージだったんですが、

その1が「岩絵具を膠などで着彩した絵」ってことで、
これは、最近は油絵と区別がつかないような厚塗りの絵や、
画題も様々になってきてるけど、とりあえず岩絵具を使っていれば
日本画なんだろうなぁと思ってたので、わかっていたんですが、

その2が「明治時代以降、近代国家としての体制を確立していく過程で
形成された一つの絵画制度」って説明には、へーそうだったのか と。
なので、江戸時代までの絵は「日本画」とは言わないそう。

西洋から油絵が入ってきて、それに対抗するために
フェノロサや岡倉天心が作った日本美術院「院展」
官展である文展からの「日展」
そして「創画会」などの団体があると。

「日本画」の、教育による「革新」を是とする価値観の普及で、
欧米では評価の高い日本の浮世絵や工芸、戯画が、
日本では評価が低いとかって話も興味深く聞きました。
(このあたり、簡単なメモとりましたが、聞き間違っているかも)

それからいくつかの作品についての説明なども興味深く聞きました。
3時に講座が終わり「再入場もできます」って話で、
もう一度絵を見直してこようかなとも思いましたが、
ショップで図録をしっかり見たら、まぁ、再入場まではいいかなと。
図録、なかなかしっかり作ってあって良かったですけど、
まぁ‥‥結構お高かったので買いませんでした。

書きだすと、ついつい‥‥これは私の忘備録みたいなものなので‥‥
長くなってしまいます。お付き合いくださった方お疲れ様です。
ありがとうございました。

岐阜県美術館: http://www.kenbi.pref.gifu.lg.jp/

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