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岡崎二郎『SF短編集 ビフォー60』 [岡崎二郎]

岡崎二郎の新しい単行本が刊行されてました!
(2016年10月25日、復刊ドットコムより初版発行)
なんと2,000円+税という、高‥‥いや素晴らしい値段です。
OkazakiJiro-(1).jpg

普通(?)の単行本よりちょっと分厚いですが、
特に装丁が豪華な愛蔵版ってことではなくて、
まぁフツーの単行本ってカンジなので、
この値段は高いと感じられるかもしれませんが、
岡崎二郎先生のコアなファンはこの値段でも買っちゃうって、
足元を見られたのかなと思っちゃいます。

岡崎二郎SF短編集 ビフォー60

岡崎二郎SF短編集 ビフォー60

  • 作者: 岡崎 二郎
  • 出版社/メーカー: 復刊ドットコム
  • 発売日: 2016/10/22
  • メディア: コミック


っていうのは、この本に収録された13作品は、
全て単行本初収録の作品で、
「アフター0 Neo」2本、
「NEKO 2(ネコネコ)」2本
「ファミリーペットSUNちゃん!」5本
「国立博物館物語」1本
「時の添乗員」1本
そして読切が2本という、
OkazakiJiro-(2).jpg
「(単行本に入らなかった)半端なものたちを寄せ集めた本」(まえがき)
なのですが、二郎先生の作品はほぼ全て読み切りの形なので、
かえって岡崎二郎のいろんなタイプの作品が楽しめる、
今まで知らなかった人に岡崎二郎って漫画家を紹介するのにも
いい本になったのではと。
ちなみにタイトルの『ビフォー60』ってのは、
(もちろん『アフター0』のモジリなんですけど)
著者が来年還暦ってことからつけられたみたいです。

さらにこの本が素晴らしいのは、作品ごとに
前説、後説マンガがついていて、二郎先生のキャラクターである
「サンちゃん」と「ピヨちゃん」がノリツッコミよろしく
作品の解説をしてくれるんです! これがメッチャ面白い!!

例えば「アフター0 Neo」の前説
before60.jpg
2本目の「タイムマシン」って作品、このブログで感想を書いてました。
岡崎二郎 タイムマシン
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2006-02-28-1

私も「最後の説明はちょっとクドくてわかりにくいなー。」って
書いてるけど、やっぱり「話を無理矢理つめ込」んでいるそうで、
「今回の収録にあたって10ページも描き足した」そうですが、

‥‥やっぱりよくわからないというか、タイムマシンの
詳しいやり方(?)の件は説明されても、よけい話が複雑になっちゃって。
後説でピヨちゃんに「つっこみどこ満載やな。」って
言わせているけど、私も色々ツッコミたいです。ハハハ。

さて「ネコネコ」の作品が2本、単行本未収録で
「ビフォー60」に収録されたわけは、後説で描かれています。
before60-(1).jpg
リキ入れて描いた最終回は?って「ネコネコ」第2巻を見直しました。
イリオモテヤマネコの回でしたか!

ピヨちゃんに「この二本はあんまり気に入って‥‥」って
突っ込まれてるけど、この「チョメ その愛」私好きですよ。

そして、「国立博物館物語」から1作入っています。
なぜ1作だけ単行本未収録になっているのか?
それは間違ったことを描いてしまい、一般読者から指摘されて発覚した
からだそう。その頃は、ひとつの文献にしか出ていないネタでも、
面白ければ裏をとらずに使うということをやっていたので、
その文献が間違っていれば即アウトであったとのこと。
それ以来、作者は非常に慎重になってしまい、
「近年の作品では脅迫神経症の如く、ひとつの用語の説明を
欄外にびっしり書き込む‥‥といった始末。」だそう。
before60-(2).jpg
そんな作者の言い訳(?)が後説で書かれています。
↑クリックで拡大しますので、興味のある方は読んでみてください。
ピヨちゃんじゃないけど、「誰がこんなん読むねん!!」
(私も途中で挫折しました)

「時の添乗員」から1本
私も「時の添乗員」シリーズは、二郎先生にしては
ちょっと作風が違っているなって感じてたんですよね。
なんか、人間ドラマっていうか、フツーのマンガ(?)みたいって。
そんなワケは‥‥この作品は
「最も編集サイドにすり寄った作品だったのです」
「作者もかなり苦労して描いた」
「終わってホッとしたのはこのシリーズだけ」(前説)

この1本は「シリーズが終わり、本を出す段になって、
編集長から宣伝の為にもう一本描くよう言われました。」(後説)
で、描いた作品だそう。

そして、2012年に“小説新潮”に掲載された8ページの読切と、

2000年に“ビッグコミック増刊号”に掲載された
「レディエクスプローラー」
この作品はいかにも二郎先生!!って作品で面白かった!
作者も前説で、「大変思い入れの強い作品なのです!!」と。
作者と担当編集は連載させる気マンマンで、
「かなりの準備期間をとり、詳細にキャラ設定をした上で」
「全力投球した作品」なんだそうです。

で、なんで連載にできなかったか?
「よーするに、編集長に嫌われた」(後説)のだそう。
ヒロインの性格が編集長に気に入られなかったよう。
でも、私なんかは、こういうわがままで強い女性、
可愛くて魅力的だと思うけどなぁ。
二郎先生のヒロインって、こういうタイプが多いんじゃない?
「大平面の小さな罪」のセーナとか。
わがままで浪費家で男を翻弄させるけど、色気はないみたいな。
(だいたい岡崎二郎のマンガにはセクシーなシーンは無い)

で、この作品が撃沈して、急拠 編集長好みの作品を企画して
連載したのが「時の添乗員」のシリーズだったそう。
‥‥編集長へのウラミがこもってますなぁ。

岡崎二郎ファンとしては、この「レディエクスプローラー」が
連載になっていたらって思いはありますねぇ。

ラストの作品リストがすごい!!
それぞれの作品のページ数や、掲載雑誌、どの単行本に収録されているか
――「アフター0」とかは、著者再編集版や文庫版もあるので――が、
一覧になっています!!
リストを提供されたという田中すけきよさん、ファンの方だと思いますが、
こういうコアなファンを生むのが、岡崎二郎のマンガの魅力だと思います。

あとがきの謝辞で「リタイア状態の私」とありましたが、
還暦は今の漫画家では決して高齢ではないですから、
これからも「今もファンという稀少で忍耐強い方」の為にも、
ボチボチでもいいですから、新作描いてくださいね。

2016年11月30日発行の「月刊ねこだのみ vol.12」に
「ネコ語についてちょっと。」という8ページの新作が載りましたが、
二郎先生らしいウンチクもあり、猫好きにはとても面白かったです。
電子書籍版がありました!




楽天市場



岡崎二郎のマンガ、電子書籍で読めます
ヒロイン・セーナのわがままぶりカワイイと思うんだけど



「種を蒔く男」は傑作でした!



「三月の殺人」良かったなぁ!



“あの世”が存在しないことを証明してしまった男。
宗教って何? 絵はカワイイのに深いなぁ。




タグ:岡崎二郎
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