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岐阜県美術館「日本画の逆襲」展 [美術]

8月13日(日)、岐阜県美術館へ行ってきました。
「日本画の逆襲
 かわるもの、かわらないもの、
 うけつがれるもの、あらたまるもの」という企画展をやっています。
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私は岐阜県美術館の後援会員なので、全ての企画展を1回ずつ
無料で見られるので、この展覧会ももちろん見に行くつもりでしたが、
正直、うーーん‥‥なんかジミな企画展、って印象だったんですよ。
知っている日本画家は神戸智行さんくらいだし‥‥
チラシ裏面に載っている絵も、ちょっと私の好みと違いましたしね。
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まぁ、そんなことと、この夏の時期は息子がバイトで車を使うので、
なかなか行けなかったんですよね。
(岐阜県美術館は公共交通機関ではちょっと不便)
会期が8月27日(日)までと短めなので、さすがにそろそろ行かなくてはと。

この日は息子をバイト先まで送迎することで車を確保しました。

暑い日差しの中、岐阜県美術館に着くと、庭の木に吊るされた風鈴が
涼しげな音を立てています。
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「アーティスト・イン・ミュージアム2017」で、
岐阜県美術館の実習棟で作品を制作・展示されている
渡辺泰幸さんの作品だそう。

夏空の下の美術館の庭
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本館へ行くと、ちょうどオルガン定期演奏会が始まるところでしたが、
まずは「日本画の逆襲」展へ。
後援会会員証を提示して展示室へ入ると

所蔵品展で日本画が展示されていることが多いガラスケースの中に、
最初に展示されていたのが

坂本一樹(さかもと いっき)1966-
幾何学的とも見えるけど、形の輪郭がぼかされて重なっていたり、
平面的に見えながら、それぞれの色面が何度も塗り重ねられて、
複雑に絡まり合い、見ていると画面が動き出すようにも感じられました。
作品のタイトルは「宙(SORA)」とつけられているのが多いです。
生命のとらえがたい本質を表現しているのだとか。

ただ私、チラシ裏面に使われている《宙―IN BLUE》は、うーーん、って
カンジ。チケットや(私は後援会会員証で入場しているので
チケットもらってないんですが)岐阜県美術館の「日本画の逆襲」展
ウェブサイトにイメージとして使われている《宙―I AM》が好き!
http://www.kenbi.pref.gifu.lg.jp/page5289.php

そしてとにかく大きなパネルに圧倒されるのが
新恵美佐子(しんえ みさこ)1963-
海の中のようなブルーの大画面に、クラゲのような? 柔らかな形が
漂っている絵は、見てるとなんか癒されます。

《揺籃》または《海の揺籃》―揺籃(ようらん)とは「ゆりかご」のこと―と
題された絵は「生命の源としての海のイメージだろう(中略)ほの暗い中に、 光が鮮やかな痕跡を残しながら現れては消えるようなイメージは、原初の海を思わせる
(解説より)
大画面に圧倒されたし、良かったけど、これが日本画?って。
材質が「キャンヴァス、墨、顔料、アクリル」ってことだし。

陶器が展示されていることが多い展示室1-Dのガラスケースに展示されていたのが、
岡村智晴(おかむら ともはる)1984-
《木漏れ日》銀箔やアルミ箔も使った装飾的でデザイン的な画面は美しいし、
私の好みではあるけれど‥‥「日本画の逆襲」って過激なタイトルからしたら、
わりとありきたり(ってのは言い過ぎかな?)って気も。

月の白い部分を本美濃市の質感を活かして表し、影の部分は裏彩色で表現して、 満ち欠ける月を描いた『流転』シリーズ」って解説にあったけど、
展示されていた《流転》みんな満月では??

新しい(ってリニューアルして何年も経ってるけど)展示室2を区切って、
「日本画の逆襲」展の出品作家の作品が1点ずつ展示されていました。

少し戻って展示室3へ進むと、
加藤良造(かとう りょうぞう)1964-
《山水境》偏執狂的にも描かれた、これは山水画?
パネル3枚組が3つつながって、すごい迫力です。
ちょっと日本人の感性とは違うような‥‥
近年のテーマ「山水境」は、台北の故宮博物院で北宋山水画を見た折に、多視点構造の中に 精神表現を加味した風景画の可能性を見出したことから生まれた」(解説より)
あぁ、もともと山水画は、中国の風景を描いたもので、
様式化され再構成された景色を描いたものも多いんですよね。
見ていると、精緻に描かれた山々や木々がうごめいて、
なんか生命体のようにも見えてきちゃいました。
山水画だけど、点景の人物は描かれていないんですね。

チラシ表面に使われている
神戸智行(かんべ ともゆき)1975-
私は、2009年のクリスマスの日に行った
岐阜県美術館「Artのメリーゴーランド」展:
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2010-01-10
で、神戸智行さんの作品を見て、川辺の風景や小さな生き物たちが
様式・装飾的に精緻に描かれているのを見て、
すごくいいなって思ったんです。
夏の木曽川を描いた《いつもの時間》(岐阜県美術館所蔵)は良かった!!
でも今回の展示を見て、円形の台とか、積み上げた立方体とか、
そんな展示方法の工夫より、もっと絵をちゃんと見たい‥‥
みたいに思っちゃったんですけど。
パネル28枚組の《ハナカスミ》は、今までにも所蔵品展で見てて、
この大きさの空間は迫力だなぁとは思うんですけど‥‥。

林真(はやし しん)1972-
タコがカニを捕まえている《業(ごう)》
2013年の日展で特選の作品だそうですね。なんとも迫力の絵です。
白鳥の形をしたボートが、無機物でありながら『飛べない鳥』の存在としての悲哀を漂わせ、また老朽化して忘れられる『モノ』の無常も感じさせ、見る者の心をざわつかせる。」と解説されていた《スワン》は、
うーーん、私はこのピンク色が好きになれないけど、
確かに、なんか心がざわつく絵であります。

服部しほり(はっとり しほり)1988-
なんかおどろおどろしい浮世絵のような感じだなぁ‥‥と。
近づいて見ると、かなり大きな画面に描かれた勢いのある墨の線が
なんとも流麗で、すごい技術のある人だなぁと。
‥‥まぁ私の好みとは違うんですが。
解説にあった「そのユニークな世界観は近世の伊藤若冲や曽我蕭白、 さらに室町水墨画の雪村のような『奇想』の画家に連なるものである。
というのに、すごく納得。私は河鍋暁斎あたりとも似ているなって
思いましたが、近年こういう『奇想』の画家が人気がありますよね。
どうも私は感覚が古いのか、そういう『奇想』の画家より、
応挙とか琳派の穏やかで美しい絵が好きなんですが。
でも最後に展示されていた、眼鏡をかけて書類を読む《寒山拾得図》には
思わずニヤリとしてしまいました。

保守的(と思われている)な公立美術館で、
「いま活躍中の日本画家」の「現代の斬新な日本画」を紹介するという、
なかなかチャレンジ的な企画展だとは思いましたが、
(それぞれの作家の解説文もすごくわかりやすいし)
やっぱり私の好みとはちょっと違っておりまして‥‥

企画展の展示室を出て、その隣の展示室が
「前林明次
 場所をつくる旅」
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入口前のモニタには、岐阜県美術館が所蔵する
山本芳翠《琉球漁夫釣之図》が展示されるところなどが映されています。
この絵は、山本芳翠が1887-88(明治20-21)年に伊藤博文首相の沖縄視察に
随行したときに描いたとされる絵だそう。

「この絵が描かれた場所を訪れ、音を録り、その絵に重ねてみよう」との
ことで、《琉球漁夫釣之図》が飾られた展示室に海の音が響いています。
あぁ、なんかいいですね。今までも見ている絵なんだけど、
海の波が臨場感をもって‥‥なんか波が揺らいでいるようにも見えてきました。
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この絵が飾られた展示室の奥に、もうひとつ展示室があり、そこでは
沖縄の風景が映されていました。この絵が描かれたのは糸満ではないかと
いうことで、糸満の海岸や周辺の風景がゆっくりと映されていました。
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(この展示、撮影可だけど山本芳翠の絵はダメとのこと)
部屋の中央のソファで眠りそうになりました(^^;)

入口近くのメトロノームの音が6台のスピーカーから
流れてくる作品は、よく分かりませんでしたが‥‥

この企画展は、「IAMAS(情報科学芸術大学院大学)」と岐阜県美術館の
連携企画協力事業「IAMAS ARTIST FILE」の第5回目とのこと。
私は第3回目の「BEACON 2015 LOOK UP!」を見てます。
その展示となんか似た印象を持ちましたが、違う作家さんなんですね。
岐阜県美術館 所蔵品展・BEACON 2015・アートまるケット:
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2015-10-06

次は所蔵品展へ。
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おぉ!! いきなりのルドン!!
「ゴーギャンとナビ派」というテーマで、
いつもは暗い展示室1-C(私はルドン部屋って呼んでますが)に展示されている
(常設展示されているわけではない)
ルドンが画家たちの肖像を描いたリトグラフ
《エドゥアール・ヴュイヤール》
《ピエール・ボナール》
《ポール・セリュジエ》
《モーリス・ドニ》が、最初に展示されていました。
ついで(?)に《オリヴィエ・サンセールの屏風》まで置いてありました。

展示室中央のガラスケースにあった
エミール・ドゥゾネ(1854-1938) って画家、私知りませんでしたが、
(ネットで検索してもほとんど出てきませんね)
《民族衣装を着たポンタヴェンのブルターニュ娘》可愛い!!

ゴーギャンは版画がほとんどでしたが
《洗濯女たち》の可愛いヤギ、
今年はじめの愛知県美術館「ゴッホとゴーギャン」展で見た
《アルルの洗濯女》のヤギと同じですね!
(ゴッホとゴーギャン展、2回も見たし、講演会も聞いたのに、
 ブログに感想が書けておりませんー)

「ゴッホとゴーギャン」展に貸し出されていた
エミール・ベルナール《ポンタヴェンの市場》も展示されておりました。

モーリス・ドニ《なでしこを持つ若い女》1896年 と、
川崎小虎《うどんげの花を植える女》1912年 が並んでいたのが、
お互いの絵が響き合っているようで、いいなぁって思いました。。
どちらも何度も見た絵で、実は私、川崎小虎の絵って今まで
あまりいいと思ってなかったんですけど、ちょっと見直したっていうか。

日本の画家では他に北蓮蔵《藁打》1931年 が出てましたが、
ナビ派とどういう繋がりがあるのか、解説とかあるといいと思いました。

ゴーギャンの版画は、「自刷り」って表記されていて、
貴重なものなんだろうなぁとは思ったけど、
刷りの技術が上手くない(?) 絵がツブれちゃってるみたいなんですけど。

次の展示室が「開館35周年 熊谷守一襖絵展」
洋画家 熊谷守一の知られざる襖絵の世界を、没後40年を機に修復を終え公開します。
ってことだけど、もう、思わず笑っちゃうくらいにいい!!
獅子や蝦蟇(がま)のゆるゆるさ!! 可愛いー
ほとんど1946-47年頃に描かれたものでした。

ルドン部屋(展示室1-C)では、「ルドン ヲ カイボウスル」
岐阜県美術館で行われているルドン研究の最前線の一部を紹介します。」と、
中央に額と額から外された絵が展示してあり、キャンバスの布が木枠に
釘で張られているのを見て、なんか親近感感じちゃいました。

花の絵が精細に拡大されて大きなパネルになっていたのも興味深く見ました。

展示室2の半分では、
「開館35周年記念 岐阜県美術館と田口コレクション展」
(公財)田口福寿会寄贈による「田口コレクション」を、岐阜県美術館の歩みとともに紹介します。
とのこと。現代美術の作品も多いんですよね。
荒川修作の作品が壁の一面に並んでいました。
《最後の次に》1967-71年 ってシルクスクリーンの作品は、
レオナルド・ダ・ヴィンチの《最後の晩餐》の輪郭線ですね。
図形の意味とかわかるともっと面白いのかなぁ?

藤田嗣治の
《夢》もいいけど、《猫》の可愛らしさにはいつも微笑んでしまいます。

庭園にあるルノワールのブロンズ彫刻《勝利のヴィーナス》や、
マイヨール《地中海》も田口福寿会の寄贈なんですね。すごい!!

所蔵品展の部屋を出て、県民ギャラリーも覗いてから、
アーティスト・イン・ミュージアム AiM 2017 が行われている
実習棟へ。
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こちらの木々にも白い陶の風鈴が涼し気な音を奏でています。
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実習棟の床には、陶でできた作品が置かれ、バチでたたいて音を出すことができます。
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あっ!! これ、
岐阜県現代陶芸美術館「世界とつながる本当の方法」展:
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2015-03-20
で見た、《土の音》だ!! あの展覧会、おケチな私が図録を買ってしまうほど
良くて、中でも《土の音》は良かったんですが、
作家さんの名前まで記憶しておりませんでした。

渡辺 泰幸(WATANABE Yasuyuki)1969年 美濃加茂市生まれ

こちらにいらっしゃって、音を出してくださいました。
もう終わってしまいましたが、パフォーマンス(公開演奏)や、
トークイベントなどもあるそうです。
詳しくは岐阜県美術館のウェブサイト
http://www.kenbi.pref.gifu.lg.jp/page5396.php

8月11日に行われた土の音パフォーマンス映像がありました。
永田砂知子さんの演奏と正村暢崇さんのダンス、素敵!!


大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ等でも
作品を発表していらっしゃるんですね。
(チラシ表面の写真は、
 大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2003 だそう)

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岐阜県現代陶芸美術館の展示では丸い形のものばかりでしたが、
ここでは平べったいもの、筒状になったもの、奥にはカマボコのような形のもの、
そして白い器のようなものも置かれていました。
この白い器が思わぬ澄んだ美しい音が出て驚きました。
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そして白い陶の鈴がたくさん吊り下げられていて、
触って音を出すこともできました。可愛らしい鈴の音が響き合います。

すっかり気に入って、閉館も迫った本館のショップへ駆け込み、
土鈴を2つ買いました。1つ324円(税込)
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実はこの展示を見るまでは、ショップの店頭にあるのは見たんですが、
こんなに可愛い音がするとは思ってなかったので)

企画展以外にもいろいろ楽しめた岐阜県美術館でした。

岐阜県美術館: http://www.kenbi.pref.gifu.lg.jp/
渡辺泰幸ホームページ: https://tutinooto.jimdo.com/

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北アルプス国際芸術祭(3)東山エリア [美術]

7月23日(日)、信濃大町周辺で開催されている
北アルプス国際芸術祭を見に行きました。

大町の市街地エリアをまず見て回ったことはこちらの記事に

北アルプス国際芸術祭(1) はじまりの庭、たゆたゆの家他:
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2017-07-30

北アルプス国際芸術祭(2)セルフ屋敷2、だいいち黒部ダム他:
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2017-08-03

この日、信濃大町では「若一王子祭り」が行われていて、
可愛い子どもたちの流鏑馬を見ることができて良かったですが‥‥
時刻も2時を回っていたので、
今日中に全ての作品を見られないことは分かっていましたが、
テレビで見て、わー素敵って思った作品だけは見たいと思い、
駅前(お祭りの影響でバス停が少し変更になっていましたが)から
出発する「東山タクシー(ワンボックスタイプの乗り合いタクシー)の
北まわりに乗りました。( 1回500円、1日券が1,500円だったので、
2ヶ所は降りるだろうから‥‥って1日券買ったんですけど、
もうそんなに便数なかったし、500円ずつ払った方がトクだった。
ま、後から思えば‥‥ですけど。その時は時刻表すらあまり見てなくて(^^;)

東山タクシーの北まわりは、信濃大町駅を発車して、山の中の細い道を上り、
最初に霊松寺に停まりますが、もうあまり時間がないことにやっと気が付いて、
ここはパスして、次の鷹狩山のバス停で降りました。

看板の後ろの階段を上ってくたさいねって言われて行くと
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え?!! この階段を上るの?!!!!
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運動不足の還暦の身にはツラいwww
アートに引かれて山登りwww

かなり階段を上った途中の横道を進んだ山の中にあったのが
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作品【32】リー・クーチェ《風のはじまり》

木の枝が渦巻き状に組まれています。
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周囲の自然と一体化しているような作品ですね。
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スタンプは自分で押して
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足元に気を付けて降りると、
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かなり大きな作品です。
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自然の木の枝を組んで作られています。
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全て手作業で組んだそう。
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ぐるりとトンネル状になった作品の中に入ることができます。
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前からあった木やシダなどが作品の一部になっているのもいい感じ。
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自然により親しむことができたような作品でした。
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これも作品? 近くの森の中に、木の枝が渦巻き状に置かれていました。
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階段に戻り、少し上ると、簡素な門があり、
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塀の中の道を通っていくと、
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作品【30】目《信濃大町実景舎》

受付でスタンプを押してもらい、靴を袋に入れて入ると
わーー!! すっごくイイ感じ!!!
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この白くてゆるやかな曲線(雪洞とか繭の中のような)の空間、
なんか癒されるー。ぼーっと座っていたいような。
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何より、窓からの眺めが素晴らしい!!
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晴れていれば北アルプスの雄大な山々が見えてもっとすごいんでしょうが、
眼下に広がる信濃大町の風景だけでも充分満足しました。

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ところどころに見えている梁や柱が、元の古民家をしのばせます。
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山側の窓は、森の風景がトリミングされた感じで、
緑の木々が一層鮮やかに見えます。
(反射光の中に私の影が映ってますね)
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穴に気が付いて入ってみると、上り坂になっていて、
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なんだか三次元的迷路のような洞窟に入ったみたい。
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非日常に迷い込んだようで楽しかった。
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出口側から見た建物。
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その近くにあった建物の2階に展示されていたのが
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作品【31】布施知子《無限折りによる枯山水 鷹狩》

撮影禁止でした。
信濃大町在住の折り紙作家・布施知子が、大きな白い紙の折り紙で
円錐形の山や、川の流れを構成していて、幾何学的で複雑な
折り目に感心しました。

ついでなので、先ほどの石段を一番上まで上ると、

「金毘羅神社」がありました。御神馬のお堂もあります。
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印象的な建物「大展望台」無料で入れるようです。
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「大町市 鷹狩山展望公園」からの眺め
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「恋人の聖地」だそうです。
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「エコーハウス たかがり」営業時間11:00~14:00 木曜日定休
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この眺望の素晴らしさ!! この芸術祭がなければ知らなかったですが、
いいところですね。

上った階段は降りなければなりませんー。でも、アート目当て(?)で、
子ども連れの家族とかも頑張って上っていましたよ。
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さて、東山タクシー乗り場で時刻表を見てショック!!
この後は、無料で乗れる「八坂地区振興バス」と最終9便しかなくて、
その差8分‥‥作品は見られるだろうか?

振興バスの運転手さんに聞くと、
《集落のための楕円》がある「押の田」バス停から
鑑賞ポイントまで少し下りなくてはならないので、帰りがつらいけど頑張ってと。

作品【34】フェリーチェ・ヴァリーニ《集落のための楕円》
「押の田」バス停で降りて、集落へと続く道を下ると
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受付のテントで、スタンプを押してもらい進みます。
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ここは3世帯しか住んでいない小さな集落だそう。
建物のあちこちに鮮やかな黄色いラインが描かれています。
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鑑賞ポイントは人が集まっていたのですぐわかりました。
この地点から見ると
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バラバラのラインがつながって、楕円の図形が現れます。
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時間がないので、駆け足で写真撮って、息せき切って、
バス停までの上り坂を急ぎ、最終便に間に合いました。

東山タクシー最終便ということで、作品を見ていない人のために、
集落が見えるところで少し停めてくれました。
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東山タクシー「八坂支所」バス停の下に
作品【33】ニコライ・ポリスキー《バンブーウェーブ》があるんですが
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もう降りてみることはできません。

信濃大町駅へ着くと、ほぼ5時で、市街地エリアの作品の鑑賞時間も
終わるので、まぁ‥‥アテもなかったので帰ることにしました。

帰りの列車の車窓から‥‥田んぼと山の風景、いいなぁ。
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北アルプス国際芸術祭: http://shinano-omachi.jp/
もう一度行きたかったけど、7月30日(日)で終わってしまいました(ToT)

結局、38作品のうち、見られたのは12作品。
(38作品のうち、4作品は1日のみのイベント)
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もう少し事前に計画を立てていれば、もっと要領よく回れたかなぁとも
思うのですが、まぁ、思わぬお祭りも見られたし、
トラベルは、ちょっとしたトラブルがあってこそ面白いですしね。

近年はこういう芸術祭、瀬戸内とか、越後妻有、そして横浜とか、
あちこちで開かれているそうですが、
私はあいちトリエンナーレ以外は行ったことがありません。

特にこういう地方で行われる芸術祭は、旅行とアートが楽しめていいですね。

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北アルプス国際芸術祭(2)セルフ屋敷2、だいいち黒部ダム他 [美術]

7月23日(日)、信濃大町周辺で開催されている
北アルプス国際芸術祭を見に行きました。

大町の市街地エリアの途中までアップましたが、
その続きを。

駅からちょっと離れた商店街の空き店舗にあったのが
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作品【10】コタケマン《セルフ屋敷2》
入口を入ると‥‥うわー、なんかおどろおどろしい雰囲気
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空き店舗の部屋、廊下、台所など、家のすべての空間を
「命の誕生」をテーマに加工・創作した作品とのこと。

うーーん、インパクトはありますが‥‥
なんかちょっと生理的嫌悪感(?)も‥‥
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トイレも「ミ゛ミ゛」って作品だそう。
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「イケ」って作品。
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あいちトリエンナーレがダメだった友人が見たら
「現代美術なんてゴミじゃん」って言うかなぁー。

「ハハ」って作品。命の誕生かー。
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60年代アングラって雰囲気?

2階にも作品がありますが、梯子が危ないので気を付けてと言われました。
卵の殻が散乱しています。
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木材が組んである下を通っていくと、
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「ウミ」って題された、蚊帳が吊ってある部屋に出ます。
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こちらは1階の「マル」って部屋。
祭壇(?)っぽいところには卵の殻もたくさんありました。
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「グングン」の部屋。おーー!! なんかわからないけど迫力です。
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原色の絵に圧倒されていたら‥‥
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扉が開いて人が出てきたのにはちょっと驚きました。
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扉の奥が「カミサマ」って部屋。
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いろんなモノがあふれかえって、猥雑な雰囲気が迫力。

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「セルフみくじ」なんてのがあったので、100円入れて引いてみました。
「努力し、考え続けよう」だそうです。

商店街を駅へ戻る途中にあったのが、
作品【9】栗林 隆《だいいち黒部ダム》
商店街の空き店舗の中に巨大な壁ができています。
約1/40スケールに再現した黒部ダムだそう。
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壁のむこうがわへは、ぐるりと家々を回らなくては行けないとのことで

風格のある蔵などを回って
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こちらが入口
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2階へ上がると、山とダム湖がつくられています。
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ダム湖の水は足湯にもなっているので、当然浸かってきました。
でも‥‥この作品、壮大だし、信濃大町ならではの作品だと思うけど、
空き店舗の中に作っているので、鑑賞するには狭くて低いところを
這うようにして通ったりしなくてはならず、
足湯もなんだか窮屈な場所でゆったりできなかったなぁ‥‥
(お湯はかなり熱かったです)
ダムの全体の姿もイマイチよくつかめなかった。
(写真も水に天井が映りこんで上手く写ってないです)
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もっと広々した会場で作ったら迫力だったのではないかなぁ?
時々ダム湖に霧が流れてくるのが美しかった。

通りへ出ると、今日は信濃大町の「若一王子祭り」ってことで
あいにくの小雨の中でしたが、舞台(山車)が曳かれていました。
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商店街には、子どもがのった馬があちこちに(なんと10騎あるそうです!)
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こちらのレトロな洋服店、「お祭り年番で留守にします」って貼紙が。
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駅前へ向かう途中の空き店舗にあったのが
作品【4】ニキータ・アレクセーエフ《ちかく・とおく・ちかく》
「ちかい」「とおい」って書かれたドローイングが並んでいます。
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奥のモニターでは、作者がドローイングを街のあちこちに貼っていく様子が
映されています。

商店街を歩くと、ニキータ・アレクセーエフのドローイングが
貼られているのに気が付きます。
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若一王子祭りの行列が商店街を駅方向へ次々に通ります。
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馬に乗った子ども、きれいに化粧して可愛い。
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信濃大町の駅前で、馬に乗った子どもは、的に向かって矢を射る
流鏑馬を行います。(っても、止まっている馬の上から、
ほんの近い的に向かって射るんですが)
「鎌倉の鶴岡八幡宮、京都の加茂神社と並ぶ日本3大流鏑馬の1つで、
全国でも珍しい子ども(ボボ)が射手を務める」お祭りだそう。
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駅前での奉射を終え、この後町内での奉射、そして若一王子神社へ
向かうとのこと。
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お祭りを見ていたら、北アルプス国際芸術祭、市街地エリアにある作品のうち、
【3】と【5】を見落としていたことに気が付きましたが、東山エリアの作品も
見たかったので、駅前から出るところだった東山タクシーに乗りました。

北アルプス国際芸術祭のレポート、続きますー。

北アルプス国際芸術祭: http://shinano-omachi.jp/
もう一度行きたかったけど、7月30日(日)で終わってしまいました(ToT)


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北アルプス国際芸術祭(1) はじまりの庭、たゆたゆの家他 [美術]

7月23日(日)、信濃大町周辺で開催されている
北アルプス国際芸術祭を見に行きました。

7月2日放送の日曜美術館のアートシーンで取り上げられていて、
それで私は初めて知ったんですが(雑誌とかに載ってたけど見逃していた)
うわー面白そう!! と。それからネットで調べたり、
北アルプス国際芸術祭: http://shinano-omachi.jp/
乗換案内で信濃大町までの行き方を調べたりして、
行きたいなとは思っていたんですが、なかなか都合がつかず‥‥

7月23日(日)、早起きして、始発電車で名古屋へ行き、
7時発の特急しなので、松本で大糸線に乗り換え、
信濃大町10:20着のつもりだったんですが、
遅くなってしまい、もうあきらめようかなとも思ったんですが、
8時の特急しなので、松本で特急あずさに乗り換えれば、
信濃大町11:01に着くってことで。

名古屋駅8時発のワイドビューしなの3号(長野行)
指定席が満席だってことで心配したんですが、
(もちろん最初から自由席に乗るつもりでしたが)
自由席は空いていました。
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満席だった指定席は登山の団体だったらしく、
大きな荷物を背負った方が大勢、塩尻駅で降りていきました。

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松本駅で降りて、乗換は同じホームなので便利。
雨のせいなのか涼しくて、列車内の冷房を心配して
上着を着てきたけど、正解。着てなきゃ寒いくらいだった。
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特急あずさ3号(南小谷行)
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あずさの車内はオシャレですね。
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信濃大町駅
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まずは駅の正面にあるインフォメーションセンターへ。
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ここで、チケット(作品鑑賞パスポート)一般2,500円を購入
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ついでに公式ガイドブック1,000円も購入。
缶バッジがサービスで付いてきました。

インフォメーションセンターの前では、
ダムエリア→源流エリア→仁科三湖エリアを巡るアルプバスや、
東山エリアを巡る東山タクシーが出発するところだったんですけど‥‥

イマイチ事前の準備不足っていうか‥‥見たい作品がどこにあるのか
すぐにわからず、それに、インフォメーションセンター内の
作品【1】原倫太郎+原遊《はじまりの庭》
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天井近くに張り巡らされた2本の線の上を白いボールが
ゆっくりと転がっていくのを見てるのが面白くて‥‥
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眺めてゆったりしているうちに、バス等は出発してしまったので
駅前のエリアを散策することにしました。

インフォメーションセンターの隣の「豚のさんぽ」って食堂。
店頭の黒豚クンがカワイイ。
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ちょっと行った商店街にあったこちら「リノプロ」って
「大町リノベーションプロジェクト」の建物だそう。
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(写真は後から撮りました)

作品【2】原倫太郎+原遊《たゆたゆの家》
中に入ると、部屋の真ん中に鏡のような池(水も少し入っているみたい。
時々水滴が落ちていた‥‥え?どこから??)
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上に吊り下げられたモビール(?)の影が部屋の壁に投影されて、
ゆっくり巡るのがいい雰囲気。
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子どもたちも楽しそうに見ていました。

2階へ上がると、顔などが描かれた袋があちこちに下げられて、
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子どもたちに大人気だったのがこの巨大なシャボン玉装置(?)
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ひもをゆっくりと引くと
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下からシャボン液に浸された大きなネットが上がってきて
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後ろの扇風機からの風で、巨大なシャボン玉ができます
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私も見ていて飽きませんでした。

外から見えるウインドウには民話をモチーフにした狸が。
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商店街を少し歩くと、
印刷物が積み上げられた中に本がディスプレイされています。
作品【6】ジミー・リャオ(幾米)《私は大町で一冊の本に出逢った》
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ジミー・リャオは、1958年生まれ。台湾のベストセラー絵本作家。
商店街のあちこちに、本が入ったカート「移動図書館」もありました。

ここを入った通りが
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なんとも昭和な雰囲気の「大町名店街」
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道に描かれた白いモザイクのような絵は、
作品【7】淺井裕介《全ては美しく繋がり還る》
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これは3年前の『信濃大町2014―食とアートの廻廊―』で
制作されたものなんだそう。
今も絵が残って人々の生活に溶け込んでいるんですね。
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「大町名店街」の東側の入口。
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角に作品【6】ジミー・リャオの展示スペース
ジミー・リャオが描いたブックカバーをかけた本が並んでいました。

大町名店街の協力店で食事・買い物をして2つスタンプがたまると、
ジミー・リャオのブックカバーがもらえるってことだったので、
お腹も空いたことだし‥‥と、名店街でひときわ目立っていた
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ネパールレストラン「ヒマラヤン シェルパ」へ
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夏祭りカレーセット
3種のカレーに、サラダ、ナンは食べ放題で、飲み物付きで950円を注文
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飲み物はチャイを選択しました。

店内の雰囲気もヒマラヤwwって感じ。
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関連ランキング:ネパール料理 | 信濃大町駅北大町駅南大町駅



そして共同作業所のパンを買って、スタンプ2つたまり、
ジミー・リャオのブックカバーをゲットです!
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何種類かの中で迷ったけど、緑の森の絵を選びました。

商店街の大通りへ出ると、あちこちに馬がいます!
今日は信濃大町「若一王子祭」の日だそう。
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商店街から趣のある路地を入った古い蔵にあったのが、
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作品【9】湊茉莉《みずかるしなの》
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蔵の薄暗い中の一角が、銀色の上にペイントされています。
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外からの光がおぼろに反射して、さっと描かれた線とで、
水の流れのようなイメージも持ちました。
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別の蔵の中には、床下を流れる水路がありました。
こちらの壁にもペイント作品がありました。
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蔵の床下を通った水は、塀の外へと流れていきます。
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あたりは風格ある蔵などが並んでいます。
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まだまだ続きます(そんなに作品見られなかったんですけど、
写真200枚以上撮影してますから!)が、とりあえずここまででアップします。


北アルプス国際芸術祭: http://shinano-omachi.jp/
もう一度行きたかったけど、7月30日(日)で終わってしまいました(ToT)
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守屋多々志美術館と大垣城 [美術]

5月28日(日)、大垣駅前のOKBギャラリーおおがき「古川秀昭展」
最終日に駆け込んだ後、駅前通りを散策していたら、

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大垣市守屋多々志美術館がありました。
大垣駅から近いところにあるってことは知っていましたが、
今まで入ったことがありませんでした。
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大垣出身の日本画家・守屋多々志(1912-2003)
歴史画の第一人者として活躍されました。

2017年5月20日(土)~7月9日(日)は、第66回企画展として
「武士―つわものどもが夢の跡―」というテーマで
作品が展示されています。
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チラシ右上に使われている作品は、
《星と武者》1968年 第53回院展出品作

入館料300円を払って入ります。
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展示室は1階だけでなく2階にもあり、
今回、90点の作品が展示されていました。
‥‥スミマセン、実は私ちょっと見くびっておりました。
結構見ごたえありました。
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《竹千代出陣》1978年 第33回春の院展出品作で、個人蔵
(チラシ裏面上左)
良かったです。あの家康がこんなに可愛かったのか?って
ツッコミもあるけど、きりりとした初々しさ、微笑ましく見ました。
鎧や兜が細かく描かれていてよかった。

本画ももちろんよかったですが、大下図や小下図など、
制作の過程がわかる作品、とても興味深かったです。

《大下図 継信忠信》1941年 第28回院展に初入選した絵の大下図

《小下図 蒙古襲来(東郷神社海軍館)》1942年
海軍館の壁画として描かれた絵は戦禍で焼失とのこと

《小下図 乱世に生きる(信長・日吉・竹千代)》1983年
あ、これ岐阜県美術館で見た絵だ!!

岐阜県美術館「時代を創った日本画家たち」展 で本画が展示されていました。
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2009-07-30

若い信長と日吉と名乗っていた頃の秀吉、幼い竹千代(家康)が
海辺に並んでいる絵。実際にこんな場面があったかもしれませんね。
岐阜県美術館所蔵の絵だそう。
岐阜県美術館のHPのコレクション検索をしたら、
今回とてもいいなって見た《竹千代出陣》の大下図は
岐阜県美術館の所蔵品だそう。

小学校4年時の作品だという兜の絵(1923年)が展示されていましたが、
すごい!! 上手いです!! 「星石」という雅号で絵を描いていたそう。

守屋多々志は、
1912(大正元)年 8月10日、岐阜県大垣市船町の味噌たまり製造元「四代目孫八」の 四男として生まれる。本名は正。 生後100日目に分家守屋貞吉(桐ヶ崎町の米穀商)の養子となる。
(守屋多々志美術館リーフレットより)そうですが、
養父が趣味の人だったよう。

歴史画の第一人者といわれた守屋多々志、兜や鎧のスケッチも多く展示されていました。
《平清盛大鎧兜(安田靫彦先生蔵)》1941年 は、守屋多々志の師である
前田青邨と並ぶ歴史画の大家・安田靫彦の所蔵する兜を借りて、
スケッチをしていて、夢中になって返却が遅くなり、電話があって
恐縮する守屋に対して、安田靫彦先生は、しっかりスケッチできたかと
優しい声をかけてくださったとか(説明うろ覚えです)

そして、鎧をただスケッチするだけでなく、モデルに着てもらい、
いろんなポーズでのスケッチもあって、研究熱心さに感心しました。

「新平家物語」の挿絵や、芭蕉の句を扇形の絵に表現した《扇面芭蕉》なども
展示されていました。

今回の第66回企画展「武士―つわものどもが夢の跡―」は、
5月20日(土)~7月9日(日)の展示で、

7月20日(木)~9月24日(日)には、
第67回企画展「子どもの世界」というテーマで展示されます。
桃太郎や金太郎、源氏物語の幼い皇子や姫君など子どもを描いた作品や、
夢あふれる絵本の挿絵などを展示します。とのこと。

その後の展示予定は、
10月7日(土)~12月10日(日) 特別展「守屋の青春・朱夏」
学生時代~イタリア留学時代及び近代を描いた歴史画などを展示。

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大垣市守屋多々志美術館の三つ折りリーフにも使われている
《ウィーンに六段の調(ブラームスと戸田伯爵極子夫人)》1992年
戸田伯爵極子(きわこ)夫人は、岩倉具視の娘で、
11代大垣藩主で明治20年からオーストリア・ハンガリー全権公使としてウィーンに赴任した
戸田氏共(うじたか)の夫人。筝の名手として知られた女性だったそうで、
ブラームスが極子の演奏を聴いている場面(実際にブラームスは極子の演奏を聴いたそう)
この特別展に展示されるとのこと。

2018年1月6日(土)~3月11日(日) 第68回企画展「西域の美」

3月17日(土)~5月13日(日) 第69回企画展「花の宴」

大垣市守屋多々志美術館のホームページによると、
 作品保存の難しい日本画作品のため、常設展示は行っておりませんが、3,300点の作品と資料を整理しつつ、2ヶ月ごとに入れ替えて展示し、多くの作品をご覧いただけるように企画展や特別展でご紹介しています。
とのこと。3,300点の作品と資料!! すごいですね。
予想はしていましたが、ほぼ独り占め状態でゆったりと
鑑賞ができまして、私としては良かったんですけど。

会期中の休館日が火曜日なので注意してくださいね。
(大垣の文化施設は火曜休みが多い)
年末年始や展示入替のための休館日もあります。

守屋多々志美術館の近くには大垣城があります。
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昭和11年(1936)に国宝に指定されるも、昭和20年(1945)7月29日戦災で焼失。
現在の天守は、昭和34年(1959)4月に再建されたものだそう。

大垣城と「戸田氏鉄公騎馬像」
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1635年(寛永12年)戸田氏鉄(とだ うじかね)が大垣戸田藩10万石の
初代藩主となって入城、以降明治維新まで、11代230年続いたそう。
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実は戸田氏鉄のこと何も知らなかったんです(だいたい読めなかったし)
写真のキャプションをつけようと、ネットで検索してやっと知ったんですが。
10万石って意外とすごいんですよね。
あの岡崎が「五万石でも岡崎さまは‥‥」って5万石でしたものね。
(あいちトリエンナーレで岡崎へ行って、昔の船着き場の碑で知りました)
11代目、最後の大垣藩主が、守屋多々志が描いた
《ウィーンに六段の調(ブラームスと戸田伯爵極子夫人)》の、
極子夫人の夫・戸田氏共なんですね。

白い壁が優美な城です。
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時間も遅かったので、中には入りませんでした。
開館時間午前9時~午後5時 入場料100円
大垣城と守屋多々志美術館、郷土館、奥の細道むすびの地記念館の
四館共通券 600円

大垣市守屋多々志美術館のホームページ: http://www.city.ogaki.lg.jp/0000002019.html
公益財団法人 大垣市文化事業団の大垣城のページ:
http://www2.og-bunka.or.jp/bunka/manage/oogakijo.html
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岐阜県現代陶芸美術館「コレクション×クロニクル」展 [美術]

5月21日(日)、多治見のセラミックパークMINOにある
岐阜県現代陶芸美術館へ行きました。

「開館15周年記念
 コレクション×クロニクル
 -制作年からみる岐阜県現代陶芸美術館コレクション」
という展覧会をやっています。2017年4月18日(火)~6月18日(日)
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私は岐阜県美術館の後援会員なので、岐阜県現代陶芸美術館の
企画展も一度ずつ無料で見られるんです。
が、前回の「伊万里 染付の美」は行くことができなかったので、
今回こそは行かなくてはと。
(でも企画展の内容についてよくわかってなかったんですけど(^^;)>

前回行ったのは、2016年12月4日(日)
岐阜県現代陶芸美術館「石黒宗麿」展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2016-12-11
岐阜県現代陶芸美術館「ふりそそぐ白の世界」展 をやっていました。
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2016-12-13

今回の展覧会も、毎週日曜日13:45より学芸員による
ギャラリートークがあるってことだったので、できたらそれに
間に合うように行きたかったんですけど、私のことなので‥‥
美術館に着いたのが14時近かったんです。
でも、展示室に入ったら、ちょっと先で、学芸員の方と
2人の鑑賞者の方が話していらっしゃったので、私も聞くことができました。
ま、私のことなので、あんまり真面目に聞いておりませんが(^^;)>

今回の企画展は、岐阜県現代陶芸美術館が2002年に開館以来、
国内外を問わず近現代の陶磁器作品を収集してきた
コレクションを、作品の制作年順に展示するってことだそう。
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まず19世紀末~1910sの作品として、
宮川香山《浮彫蓮子白鷺翡翠図花瓶》や、
エミール・ガレの陶器の作品《木の実に蜻蛉図皿》とか、
‥‥でもやっぱりガレはガラスの作品がいいなぁと。
(展示室にあった鑑賞カード)
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そしてマイセンのクロッカス文コーヒーサーヴィス
(チラシ内面上左)や、

ビング・オー・グレンダールの鷺のカップ&ソーサーなどは、
「アール・ヌーヴォーの装飾磁器」展 で展示されていた
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2016-04-28
鷺のセンターピースを思い出しました。

1920s~1930s
アールデコの時代ですね。
ローゼンタール《白磁アールデコ女性像付フロアランプ》とか、
カジミール・セヴェリノヴィチ=マレーヴィチ/
ロモノーソフ国立磁器工場《ティーセット》デザイン1923年、制作1962年 の、
ブッとんだモダンなデザインは、
さすがロシア・アヴァンギャルドのマレーヴィチだと。

1940s
荒川豊蔵《志野水指》と、富本憲吉《白磁大壺》が並んでいました。
色絵金銀彩の華やかな壺が1960sのコーナーに展示されている
富本憲吉ですが、この、何の装飾もないシンプルな白い壺、
すごく美しくていいなって見ました。

1950s
八木一夫、鈴木治らと「走泥社」を結成した山田光の《作品(1955)》は、
壺の口を塞ぎ、実用性を否定したところが新しかったそう。
そんな作家の作品と、森正洋/白山陶器株式会社の《G型しょうゆさし》が
並んで展示されているのも、年代順の展示の面白いところ。

ピーター・ヴォーコス《歩く女》1956年 が大きくて迫力がありました。
それと対峙するように展示されていた大きな作品が、

ジョン・メイソン《直立する彫刻》1962年(チラシ内面左下)
土の荒々しい迫力!!

1960sのコーナーには、
チラシ表面に使われている八木一夫《曲》1964年 と
富本憲吉《色絵金銀彩四弁花模様飾壺》1960年

加守田章二《灰釉大鉢》1966年頃 が、
大きな鉢なのに、とても薄く、シャープな形がすごかった。

1970s
ハンス・コパー《ポット(ティッスルフォーム)》1972年頃
なんとユニークな形!!

ルーシー・リー《鉢》1975年頃(チラシ表面下) などの作品と並んで、

田尻誠《平底ポット》1972年 があって、これは量産品なのかな。
シンプルな形がとても美しいって見ました。

カルロ・ザウリ《耕地》1976年 ああ、土だ‥‥って。
(展示室にあった鑑賞カード)
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鈴木治《馬形》1978年
八木一夫、山田光らと「走泥社」を結成した鈴木治
素朴な土の素材感とおおらかなフォルムがいいカンジ

1980s になると、さらに大きな造形作品が並んでいて、
雑誌や新聞を陶で表現した作品などで知られる
三島喜美代の、チラシなどが貼り付けられた電柱が3本立っていました。
《Electric poles》1984-85年

秋山陽《準平原872》1987年 黒い大きな円筒形の作品の迫力すごい!

フェデリコ・ボナルディ《母さん》1985年 なんかユニークでユーモラス。

大きい作品だけでなく、
周邦玲《思想の毒に盲いたもの》1987年 って、台湾の作家の作品は、
陶だけでなく金属なども使っていて面白かった。
タイトルが文学的でいいですね!

リチャード・ノトキン《冷却炉》1989年 は、小さなキノコ雲(?)の
形もあって、シニカルな社会的メッセージを込めているのかなと。

1990s
岐阜県現代陶芸美術館「きになるかたち」展 で、
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2015-06-27
面白い形!!って見た重松あゆみ《骨の耳'92-14》1992年

鯉江良二《ブラボール》1993年 は、
焼いている途中で壊れてしまったのか?ってカンジの、
ひび割れた陶の玉と、周囲には破片が散乱してまして。
うーーん??って見てたら、ギャラリートークの学芸員さん
「鯉江先生、こういう前衛的なものだけでなく、
ちゃんとした(?)器も作っていらっしゃるんですよ」と。

2000s
岐阜県現代陶芸美術館は、2002年の開館から、
「国際陶磁器展美濃」入賞・入選作品の主要な作品を収蔵してきたので、
コレクションのバラエティが広がったとか。

「きになるかたち」展 とかでも見た
宇宙服を着た赤ちゃんが3体並んでいる 林茂樹《Q.P》2006年
やっぱりインパクトありますね。

あいちトリエンナーレ2016岡崎エリア・石原邸の蔵での展示が
とても素敵だった柴田眞理子の作品もありました。《華の生物》2007年

森正洋《無印良品の器》2004年 もありました。
シンプルな美しさ!!

最後の部屋では、とても大きくて、装飾過多でキラキラの
植葉香澄《キメラ》2009年 が存在感を放っていました。
江南のギャラリー数寄の展覧会へ行ってきたことはこちらに:
ギャラリー数寄「植葉香澄展」「デレック・ラーセン展」
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2016-06-13

2010s
酒井博司《藍色志野花器》2010年
私この人の作品、端正な雰囲気で好きです。
ショップで欲しいなって思った作家さんです。
(もちろん、ちょっと無理をすれば私にも手が届きそうな値段って
こともあるんですけど。)

吉田喜彦《白化粧しのぎ手鉢》2013年
ブログに感想が書けてませんけど、2015年8月8日(土)~2016年2月14日(日)
ギャラリーⅡで、3期に分けて展示された
「吉田喜彦とうつくしいものたち」展 で、この方の作品、
素朴で、あたたかい雰囲気がいいなぁって見ました。
一緒に展示されていた吉田喜彦氏の民芸品などのコレクションが
とても私の好みでした。

この展覧会のチラシが素敵なんですよ!!
(岐阜県現代陶芸美術館、いつもチラシ素敵だなぁって感心してるんですが)
ブログに感想とともにアップしたかったんですけど、
せめてチラシだけでもここにアップしておきます。
表面は4種類あって、
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このチラシ中央に使われている作品が、吉田喜彦《白化粧しのぎ鉢》
(今回の展覧会で展示されていたのとはちょっと違いますが)

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4枚並べても素敵
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裏面は同じです。
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ギャラリーⅠの「コレクション×クロニクル」展を出て、

ギャラリーⅡへ。

「国際陶磁器フェスティバル美濃」の歩み
1986-2014
陶磁器の未来に向かって
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という展覧会が開催されています。2017年4月25日(火)~7月2日(日)
今回のチラシは、ギャラリーⅠとⅡの展覧会が一緒になって、

中面左がギャラリーⅡ
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見開きでつながったデザインになっています。
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「国際陶磁器フェスティバル美濃」は、1986年から、
3年に一度開催されてきたそうで、私は、
2014年の第10回をここ、セラミックパークMINOで見ました。
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2014-10-17
岐阜県現代陶芸美術館では「大織部展」が開催されていたっけ‥‥。
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2014-10-15

そうかー、あれからもう3年かー。今年は
「第11回国際陶磁器フェスティバル美濃」が開催される年なんですね!!

国際陶磁器フェスティバル美濃2017は、9月15日(金)~10月22日(日)
だそうです。ウェブサイトはこちら: http://www.icfmino.com/

今までのフェスティバルの入賞作品から展示されていました。

中島晴美《苦闘する形態》1995年(チラシ中面上左)は、
第4回展(1995年)陶芸部門金賞なんですね。

第7回展(2005年)陶磁器デザイン部門審査員特別賞の
ユン・ジュチョル《花器》(チラシ中面左下)の
鮮やかな色とトゲトゲがとてもユニークで印象に残りました。

そして、屋外にも展示ありますってことで行くと
2017-5-21-(13).jpg
この、手入れがされていないプランターかと思ってしまうのは、
岐阜県現代陶芸美術館「土の冒険のぼうけん」展 でも書きましたが、
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2016-09-26
鯉江良二《雨/陶←→土》

池に巨大なチラシや新聞が
三島喜美代《WORK03》
2017-5-21-(14).jpg

浮いているのは、FRP(繊維強化プラスチック)と火山灰で作られていて、
沈んでいるのは陶製だそう。
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階段を上って、上から見てみました。
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磯崎新氏設計のセラミックパークMINOの建物はカッコイイですね。2017-5-21-(9).jpg
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池に浮かぶように茶室と能舞台があります。
茶室への入口
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美術館部分は、「より大きい架構体から、全面的 に吊られている。約5メートルの吊られた構造体は完全な免震構造となる。すなわち、地震の振動周期と、この吊られた構造の周期が異なるため、本体の架構が 大きくゆれても、ここでは、定点を保持している。(セラミックパークMINOウェブサイト http://www.cpm-gifu.jp/wp/?page_id=109 より)」という免震構造になっているそう。

セラミックパークMINO: http://www.cpm-gifu.jp/wp/
岐阜県現代陶芸美術館: http://www.cpm-gifu.jp/museum/
国際陶磁器フェスティバル美濃: http://www.icfmino.com/
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岐阜県美術館のヒトツバタゴと所蔵品展 [美術]

5月14日(日)、岐阜県美術館へ行き、
清流の国ぎふ芸術祭」を見ました。
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2017-05-18

岐阜県美術館の庭のヒトツバタゴが白い花を咲かせています。2017-5-14-(65).jpg

別名「ナンジャモンジャ」ともいう
「ヒトツバタゴ」の木の下にあるのは、
鯉江良二《森ヲ歩ク》
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岐阜県美術館「ながれミながら」と所蔵品展 でも書きましたが、
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2016-08-04
岐阜文美術館のリニューアルで、新しい展示室ができる前、
展示室から見える裏庭にあった作品で、
あの作品どうしたのかなー?って気になっていたんですが、
昨年、作者の鯉江良二氏の監督のもと、ここに設置されたことは
岐阜県美術館のブログ記事に詳しいです。
新年度、始動!―美術館の花と《森ヲ歩ク》
http://gifukenbi.blogspot.jp/2016/05/blog-post.html

岐阜県美術館では「清流の国ぎふ芸術祭(AAIC)」だけでなく、
所蔵品展も開催されています。
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今回、所蔵品展のチラシがありました!
「清流の国ぎふ芸術祭(AAIC)」は無料ですが、所蔵品展は
一般320円(大学生220円、高校生以下無料)の観覧料がかかります。
私は岐阜県美術館の後援会員なので無料で入ることができるんですが。

所蔵品展はあまり鑑賞者がいないので、
ゆったり見ることができて私にはいいんだけど、
美術館側からすればどうなんでしょうね。
いつもいい展示やってるし、私は結構見てる方だと思うけど、
毎回、へーこんないい作品持ってたんだ!って驚きます。

最初の部屋が、坪内節太郎と石川勇展

坪内節太郎(1905-1979)は各務原市生まれの画家で、
各務原市も作品をいくつか持っているようですが、
岐阜県美術館にも多くの作品があります。

《松かさ鮒》1976年 は、前回の「岐阜の版画」展を
見に来た時(ブログに感想が書けてないけど、2月12日(日)
所蔵品展の最初に展示してあって、盆にのった鮒が描かれている
シンプルな絵なんだけど、なんか味があっていいなと印象に残った絵だ。

能や歌舞伎を描いた絵も多くて、油彩だけでなく、
サラリと描いた墨彩の絵もいいなと。

石川勇(1922-1989)美濃市生まれの画家
なんか面白い絵! デザイン性と装飾性、
後で展示してあったアボリジニの美術にも通じるような印象を持ちました。
絵本の原画なども描いているんですね。

次の展示室は「NOIR」というテーマで、
ルドン、靉光等の作品の中から、黒の世界に焦点をあてて紹介します。」って
ことなんですが、光(照明)の使い方がドラマチック!!
暗い展示室に、三尾公三《北の旅(B)》が浮かび上がるように展示されている
ところがとても素敵でした。

新しい展示室では「ドリームタイム アボリジニの美術」
「体感アート@県美.com」展 で、
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2013-02-19
アボリジニの美術も紹介されていましたが、
岐阜県美術館、こんなにたくさんのアボリジニの作品を持ってたんだと。

そして「岐阜県ゆかりの日本画家たち」の部屋では、
大橋翠石《虎図》二曲一双の金地屏風に描かれた虎、さすがです。
岐阜県美術館HPのコレクションに画像あります。
http://gifu-art.info/details.php?id=2750
http://gifu-art.info/details.php?id=2751

前田青邨《張果老》中国の仙人だという張果老が、瓢箪から駒を出したところが
洒脱な水墨の線で描かれていて、ユーモラスなところが気に入りました。

川合玉堂《晩帰》1899年 水墨のしっとりした風景が落ち着きます。
チラシも画像ありますし、HPにも画像ありました。
http://gifu-art.info/details.php?id=4654

池田虹影(いけだ こうえい 1892-1956)《鵞鳥》
3羽のガチョウのリアルさがすごい!!

と、今回も岐阜県美術館の所蔵品展楽しみました。

さて、岐阜県美術館、最近注目されているのが、
「ミュージアムの女」って4コマ漫画!!

岐阜県美術館の監視係をされている方が描かれた4コマ漫画で、
ツイッターで流れてきて(岐阜県美術館公式アカウントで発表されてました)
美術館のウラ的なことも分かって楽しく読んでいました。
新聞やテレビなどでも取り上げられたそうですが、
50話を区切りに無料マンガサイトのジーンピクシブへと移行します。また今秋にはKADOKAWAから書籍化が決まりました。」ってことで、楽しみです!!
こちらで無料で読めます
https://comic.pixiv.net/works/3405

岐阜県美術館HP: http://www.kenbi.pref.gifu.lg.jp/
岐阜県美術館公式アカウント: https://twitter.com/gifukenbi

過去記事
岐阜県美術館のヒトツバタゴ:
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2008-04-30
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岐阜県美術館「清流の国ぎふ芸術祭」 [美術]

5月14日(日)、岐阜県美術館へ行ってきました。

ART AWARD IN THE CUBE 2017
清流の国ぎふ芸術祭
ArtAward2017-(1).jpg
をやっています。実は見に行くまで、あまり展覧会のイメージが
わからなかったんですね。昨年から美術館の庭にこんな枠(?)が
設置されていて、これは何??みたいに見てたんですけど。
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(2016年7月24日撮影)
この4.8m(幅)×4.8m(奥行)×3.6m(高さ)の空間(直方体のキューブ)の、
空間(実際のキューブには壁面、天井があります)に、
公募によって選ばれた作品を展示してもらうとのこと。
第一回目の今回のテーマは「身体のゆくえ」
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‥‥なんてことは私は後から知りまして、
岐阜県美術館後援会の会員で、全ての展覧会に行ってるので、
そろそろ行っておくか‥‥みたいなカンジで出かけたんですよ。
(入場無料ってのも行ってから気が付いたんです。
 ちゃんとチラシにも表記してあるのに)

私のことなので、昼食を食べてゆっくりして車で出かけました。
いつもの岐阜県図書館地下の駐車場が満車で、美術館のカフェ側の
駐車場に停めて、北入口から館内へ。

この日は月1回(但し6月は休み)のパイプオルガンのコンサートが
行われていて、後半の曲を聞くことができました。

多目的ホールでのオルガンコンサートが終わって、
展示室3へ。後援会会員証を提示しようとしたら、無料で入れることを
知りました。そして写真撮影もOK!!

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----ここから先はネタバレ?になっちゃうので、
これから展覧会を見に行こうとお考えの方は、
是非見てから読むことをお勧めします。6月11日(日)までです。

よくわからないなーって作品も含めて、アーティストの意欲あふれる展示
それぞれ面白かったです。

清流の国ぎふ芸術祭レポート


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願成寺古墳群美術展2017 [美術]

世間的にはゴールデンウィークの最終日、5月7日(日)に、
岐阜県池田町の願成寺古墳群一帯で開催されている
野外アート展「願成寺古墳群美術展」へ行ってきました。
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出品作家の方から案内をいただいたんですが、
2015年に開催された「願成寺古墳群美術展」が
とてもよかったので、楽しみにしていたんです。

願成寺古墳群美術展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2015-04-28

できたらワークショップなどもある4月23日(日)に
行きたかったんですが、なかなか都合がつかずに‥‥で、
7日(日)、休みだったダンナが温泉に行きたいって言うので、
ダンナを池田温泉に送って、
私は願成寺古墳群美術展に行くことにしました。
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池田温泉から霞間ヶ渓(かまがたに)を通って願成寺古墳群へ至る
池田山の山腹の茶畑の中などを通る「ふれあい街道」は、
濃尾平野の眺めも良くて気持ちのいい道ですね。
サイクリングやウォーキングの人もいました。

大津谷公園キャンプ場では、川遊びをする人も
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5月7日(日)は関連企画として、
「ハッピーアフリカン in 池田」という
アフリカ音楽ライブのイベントが開催されていました。

ちょうど太鼓の演奏が終わったところ
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アフリカングッズ(?)や飲食のテントも出てました。
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コーヒーのとてもいい香りに(焙煎の体験もやってました)
たまらず1杯注文。300円でした。
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さて、いよいよ「願成寺古墳群美術展」が開催されている
「岐阜県史跡 願成寺西墳之越古墳群」へ
池田山東麓の扇状地に立地する岐阜県最大級の群集墳。
六世紀から七世紀に築かれ100基以上の円墳からなる。

(チラシの説明より)
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自然の緑のトンネルがいい雰囲気です。
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草の中に黒いビニールシートでも広げてあるのかと思ってしまったこの作品
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よく見ると、この木の影、空が映っているのではくて、
プリントされたものなんですね!!
末松グニエ文《いつもそこに》
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傾斜地に布が‥‥二村元子さんがワークショップの参加者と
制作した作品《微(耳で見る/目で聞く)》
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白いマスクが地面から立っている枝に刺さっています。
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2号墳の石室に設置された青い板は、
鳥谷浩祐《時の部屋》という作品。
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青い板の汚れのようにも見えるものは(落ち葉やゴミもありますが)
描かれた作品のようです。何かがにじみ出てきたようにも見えますね。
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ここは、古代人のお墓ですからね‥‥
「(前略)この場所には死の気配があり、その境界がある特別な場所のように感じました。 今回はそこに佇む時間の流れや重なりを表現できないかと考えています。
(作品解説より)

ここに置かれた白い石も作品のようです。
大間光記《気配》
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木から薄い布が吊り下げられています。
渡邊智子《時に添う》
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濃尾平野を見下ろせる丘からの景色いいですね。
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「(前略)時空を超えることができたイマジネーションを、色や形の抽象性と共にインスタレーションで表現する。」(解説より)
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1号墳にあった作品が
木村洋子《楣庵(まぐさあん)》
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花の形のようにも、ろうそく立てのようにも見えるオブジェと、
球根のようにも見えるものも作品なんですね。
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石室の一番奥には、抹茶茶碗と茶せんが置いてありました。
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古墳の羨道と石室は、茶室の路地と茶室。
 石室入口の楣石は茶室のにじり口の様である。
 この世の世塵を祓い清めて茶室に向かう心持は
 まるであの世に向かいう羨道を歩く様だ。
 狭い石室に入るために頭を垂れる。
 それは身をかがめて頭を垂れてにじり入る茶室の入口の様だ。
 石室に入ると静寂と祈りが満ち足りている。
 それは身分も名誉も等しく消え去り一服の茶を飲む茶室の様だ。
」(解説より)

ちょっと怖かったけど、石室に入ってみました。入口は狭かったけど、
中は意外に広く、ひんやりしています。
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別世界に来たようなカンジ。外の光がまぶしいです。

木に3つの球が吊り下げられています。
酒井稔《土のオリオン》
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三つの泥だんごを木に吊るします。」(解説より)
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3号墳の前に2つのオブジェが置かれています。
大野裕之《阿吽》
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門のようでもあり、神社の狛犬のようにも見えたんですが
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先人たちが古墳に込めた思いとは、始まりと終わりだと思います。
 全ての物事に意味を持って、考えて、意識して、感じて。
 そうして創造された古墳に、私なりに始まりと終わりを表現しました。

(解説より)

四角い石の中から、うさぎが出てきているような彫刻が並んでいます。
衣斐康弘(Ebi Yasuhiro)《箱うさぎ》
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ここ数年、おとぎ話や絵本の物語の1ページのような情景を石の彫像で表現しようとしている。なぜか石の中に閉じ込められてしまい自らも石と化してしまったうさぎ達。目の前を通り過ぎる人々をくぼんだ目でみつめるばかりである。作品を前にして、いったいどうしたことだろうと空想をふくらませ、次のページを開いてみてください。」(解説より)
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自然の中で、おとぎ話のような雰囲気。うさぎ達がカワイイ。

木になにか不思議なものがとりついています。
矢田真之(Yada Masayuki)《つかわしめ》
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白い大蛇のようにも見え、
土から自然のエネルギーが出てきたみたいにも見えます。
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古来より、山、巨木、動植物などの自然物。
 雨、風、雷などの自然現象‥‥
 その中に特別な何かを感じ、その物事に神がいると考えられてきた
 自然物・現象(神)と人との接触をする者として特定の動物がいる
 時には神そのものと考えられることもある
 祀ることと現世とを繋ぐ者を像に表すことで現在の事について
 思考し表現しよう
」(解説より)

日本人的な考えなのかもしれませんが、眼にみえぬはずの雰囲気や気配と言ったものの 中にこそ本当の事があり、そこにいるはずの物を形作っているのだと思う。人や自然現象・自然物との繋がりを感じながら木を素材として彫刻を制作しています。」(解説より)

白い葉の形のオブジェが緑の中に並んでいます。
台湾出身のアーティスト 康雅筑(カン・ヤーチュウ)さんの作品
《Translucent Slices》
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池田町の土川商店で滞在(4月9日~24日)制作された作品とのこと。
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自然の中、古墳群をバックにとてもいい雰囲気です。
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楓の種のように、宙に舞い、羽が透明になり、繋がり、漂い私たちを別の世界へ誘うかのように。そんなイメージをしています。」(解説より)
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古墳群の周辺には茶畑が広がっています。
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石室に入れる43号古墳には、二村元子さんのワークショップで作ったという
音が聞こえる作品があるってことなんですけど‥‥
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ちょっと怖いなと思いつつ、石室に入ってみたんですが‥‥??
だけどここで音が聞こえたらさらにコワイww
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ふれあい街道沿いの林の中に小屋(?)と、木にはカラフルな風船(?)
Lifeislight(田中健作+森岡厚次)《光をつむ》
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「(前略)Lifeislightは光をキーワードに作品を展開する。」(解説より)
ってことなんですけど‥‥

草むらの中に、空気の入れ口(空気栓)がたくさん付いた赤いビニールが
埋もれそうになっていました。
陳奕彰(チェン・イージャン)《鶏誕》
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2015年の願成寺古墳群美術展ではバルーンの羊クンがこの場所に置かれていて
可愛くて目立ったんですけど‥‥

木々の間で薄い白い布がたなびいています。
児玉美咲《here/there―時間と空間の向こう側―》
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「(前略)風景と呼応することで、見える時間の向こう側。そういった試み。
 記憶の中に埋め込まれているように、原始的なフォルムは普遍的である。日々変化し続ける風景の中で、こちら側 here に居ながら、向こう側 there を想像する。
」(解説より)

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ところで大津谷公園キャンプ場の隣に、コテージタイプのキャンプ場?
オシャレな施設ができたんだなって見たら、
サンビレッジ宮路 サンヒルズ ヴィラ・アンキーノ」って、
http://www.shinsei-kai.or.jp/anki/
一戸建て住宅型有料老人ホームなんですね~

室内展示が行われている土川商店の「場所かさじゅう」へ
2015年の願成寺古墳群美術展の時にも、
二村元子さんの「天使とおばけ」展と交流会の時にも来たことがあります。
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2015-12-05

浮世絵に出てきそうな雰囲気の、奥が土川商店
(願成寺古墳群美術展の実行委員会事務局)
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手前が「場所かさじゅう」
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今回のチラシや解説なども置いてあります。
梁から下がっているのは、
酒井稔さんの《土のオリオン》のミニ版(?)ですね!
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座敷中央にあるのは二村元子さんの作品、
床の間にあるのは衣斐康弘さんの作品ですね。2017-5-7-(73).jpg

奥の部屋の壁にかかっているパネルは鳥谷浩祐さんの作品、
つり下がっている白いオブジェは康雅筑(カン・ヤーチュウ)さんの作品で
石は大間光記さんの作品かな。
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道の向かい側の小屋に鶏のバルーンが!
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陳奕彰(チェン・イージャン)さんの作品かな?
願成寺古墳群美術展では、草の中に赤いビニールが4つ置いてあっただけで、
え?!これだけ??って思ったんですが、最初の予定ではこの作品を設置する
つもりだったのかな。でもこれ、どうも動力で膨らませていないと
ダメみたいで、ちょっと失敗作?? カワイイんだけど~。
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今回の願成寺古墳群美術展、新緑の美しい自然の中に、アートが点在していて
いいんですけど、なんだか2015年と比べると‥‥作品の傾向が似通っちゃってる
(自然の中で布がひらひら)とか、なんかお手軽(石を置いただけ)‥‥みたいな
印象も持ったんですよね。そして後で気が付きましたが、
TABの《Bump》って作品を見落としていました。えー?! どこにあったんだ??

でもとにかく、新緑の自然の中、楽しくアートや古墳を見ることができて
いいですよ。5月28日(日)までの展示です。
TABさんの作品を探しにもう一度行こうかなー。

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国立新美術館「ミュシャ展」 [美術]

4月17日(月)、東京・六本木の国立新美術館で、
「草間彌生 わが永遠の魂」展を見た後、「ミュシャ展」を見ました。
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アール・ヌーヴォーを代表する芸術家として、
パリで華やかな名声を手にしていた
アルフォンス・ミュシャが、50歳で故郷のチェコに戻り、
晩年の約16年間を捧げた一大プロジェクト
《スラヴ叙事詩》のことは聞いてはいましたが、
その全作品20点が来日するってのに驚きました。
全20作がチェコ国外で展示されるのは初めてだとか!!

NHKテレビで、巨大な絵を展示するところを見て、
うわー、すごい!!って、見に行きたいとは思っていました。
4月のシフトの休みに月曜日があり、
国立新美術館が月曜日やってるってのを知って
今回の上京を決めました。で、山梨の友人とも美術館で会うことが
できたんです! このあたりのことは別記事で書きたいと思っています。

オンラインで購入してプリントアウトしたチケットを提示して入りました。
入口横に音声ガイドの貸し出しコーナーがありましたが、
私は普段音声ガイドって借りないので、そのまま展示室に進みました。

最初に展示されていたのが、チラシのメインビジュアルにも使われている
《スラヴ叙事詩「原故郷のスラヴ民族」》1912年
610×810cm の巨大な絵!!

その巨大さにあらためて驚きました。そして、巨大な絵なのに、
バックの星空が細かな点描で描かれていて、その美しさに感動!!

しばらく見惚れていましたが、画面横の説明パネルで、
空中に両腕を広げて浮かぶのは多神教の祭司で、
(大きな絵なので、見上げることになり、本当に空中に浮かんでいるよう!)

右に平和を象徴する娘、左に若い戦士が描かれていること、
前面に目を見開いてうずくまるのは、略奪者に村を焼かれて
逃げ延びてきたスラブ人だということを知り、
これは何が描かれているのか知って絵を見た方がいいし、
説明パネルを読むより音声ガイドの方がいいと、
(人が多いので、説明パネル近くに行くのに時間がかかるし、
読んでいる時間がモッタイナイ)
戻って、520円で音声ガイド借りました。

音声ガイド、正解でした。
スラヴの歴史ほとんど知らないので。
(まぁ説明ガイドで聞いたくらいでは理解できませんが)

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《スラブ叙事詩(3)「スラブ式典礼の導入」》(チラシ中面左下)1912年
では、スラブ語に翻訳された聖書を使っての典礼を許可する
教皇の大勅書をスヴァトプルク王に向かって読み上げる場面が描かれているそう。
前面の若者が手にする輪は、スラヴ人の団結を象徴しているのだと。

多くの文献をスラブ語に翻訳させ、スラブの文化を高めたという
《スラヴ叙事詩(4)「ブルガリア皇帝シメオン1世」》1923年
宮殿の壁画の文様なども細かく描かれていて素敵

《スラヴ叙事詩(6)「東ローマ皇帝として戴冠する
 セルビア皇帝ステファン・ドゥシャン」》(チラシ中面中上)1923年
NHKテレビの番組でも指摘されていましたが、
戴冠式の行列の主人公である皇帝がそれほど目立っていないんですよね。
前面の花を持つ娘たちがミュシャらしく(?)可憐。

《スラヴ叙事詩(13)「フス派の王、ポジェブラディと
 クンシュタートのイジー」》1923年
ポジェブラディとクンシュタートのイジー王が教皇特使と対面する場面。
ローマ教皇庁への従属を迫る教皇特使に対して、
イジー王は憤慨して椅子を蹴倒していると。
ステンドグラスの窓からの光がとても美しい。

そしてスラヴ叙事詩では、戦争の場面も多く描かれています。中でも、
《スラヴ叙事詩(12)「ヴォドニャヌイ近郊のペトル・ヘルチツキー」》1918年
には、思わず涙ぐみかけてしまったというか、胸がえぐられるようでした。
横たえられた犠牲者に取りすがって泣く女性、
赤ん坊を抱く母親の正面を向いた目にはドキッとします。
燃える街を見る、おそらくその街の住人で、ここまで避難してきた人々‥‥
そんな人々の痛切な感情が、この絵の大きさ(405×610cm)なので、
まるで目の前にいるかのように伝わってきました。さらに、音声ガイドで、
画面中央にいるペトル・ヘルチツキーは、暴力に暴力で報いてはいけないと、
復讐を誓う男の拳を受けとめている場面だと知り、感動しました。

そして、スラヴ叙事詩の最後の展示室はなんと撮影可能!!
月曜日ですが、この鑑賞者の多さ!! 皆スマホ等で写真を撮っていますね。
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《スラヴ叙事詩(15)「イヴァンチツェの兄弟団学校」》1914年
チェコ語に翻訳された聖書が印刷され、それを読む人々。
この大きさ(610×810cm)なので、iPhoneの画面に入りきりません!!
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左下で盲目の老人に聖書を読んで聞かせる青年の顔は、
若き日のミュシャをモデルにしているのだとか。
この二人だけ、下の枠(?)から出ているように描かれているのが
面白いというか。図録にはこの枠から中のみが載っています。
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全体を写そうとすると鑑賞の人が入ってしまいます。

《スラヴ叙事詩(19)「ロシアの農奴制廃止」》1914年
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モスクワの赤の広場ですね!
ロシアもスラヴなんだ(スミマセン、それくらいの認識しかありません)
1861年の農奴解放令が出されたモスクワを描いたものだそうで、
自由の身になって喜ぶというより、呆然としている民衆がかえってリアルというか。
この大きさの絵、まるで自分も雪の赤の広場にいるようです。
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ミュシャはこの絵を描くために、1913年ロシアへ行き、
多くの写真も撮影したそうです。

《スラヴ叙事詩(17)「聖アトス山」》1926年
巡礼者たちに降り注ぐ光が荘厳な雰囲気
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《スラヴ叙事詩(18)「スラヴ菩提樹の下でおこなわれる
 オムラジナ会の誓い》1926年(未完成)
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この絵は未完成で、ミュシャの生前には一度も公開されなかったそう。
でも、左下のミュシャの娘をモデルにした少女は、
スラヴ叙事詩の展覧会ポスターに使われていますよね。
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この展覧会でもそのポスター展示されていました。
《「スラヴ叙事詩」展》1928年

でも、この時の展覧会ではこの作品のみ展示されなかったとのこと。

右下の少年はミュシャの息子イジーをモデルにしているそう。
二人が腰かけている壁(?)が舞台のようにも見えて、
どこからが絵なのか、面白い構成だなと。

友人は、この絵の光溢れる雰囲気がとても好きだと言いました。
(私はやっぱり最初の作品が一番好きかな)

そして、スラヴ叙事詩シリーズの最後の絵として描かれたのが、
《スラヴ叙事詩(20)「スラヴ民族の賛歌」》1926年
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自由と調和を象徴する花輪を持つ青年がスラヴ民族への賛歌を
高らかに歌い上げる、幸福感と高揚感が伝わってくる絵です。
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でも、これらの絵のために、ミュシャは危険な愛国者として
1939年、ドイツ軍がチェコに侵攻すると、ゲシュタポに拘束され、
数日間の尋問の後に釈放されるが、それによって
前年から患っていた肺炎が悪化して死去とのこと。

《スラブ叙事詩》全20点に続いて、ミュシャと言えば‥‥って、
《ジスモンダ》をはじめとするサラ・ベルナールの舞台ポスター等、
華やかなアール・ヌーヴォー時代の作品が展示されています。
【Ⅰ ミュシャとアール・ヌーヴォー】

これら、今回のミュシャ展の
アール・ヌーヴォー時代のポスターの所蔵は全て「堺市」です。

大阪・堺に「アルフォンス・ミュシャ館」ってのがあるってのは、
美術展のチラシを見て知り、一度見に行きたいと思ってましたが、
なぜ堺市に??って疑問でした。

今回の図録で知ったんですが、
カメラのドイ創業者である土井君雄氏のコレクションだったんですね!!

以下、ミュシャ展図録「父とドイ・コレクション」より
日本で初めてミュシャ展を行うにあたり、父と文化事業部スタッフは、 まず作家の名前を覚えて好きになってもらうことが重要だと考えました。 ‥‥(中略)‥‥美しく華やかなパリ時代に焦点をあてることにしたのです。 「アール・ヌーヴォーの華」というキャッチコピーとともに、名称を チェコ語の「ムハ」ではなく、フランス語読みの「アルフォンス・ミュシャ」を 採用したのもこのためです。

そうだったのかー!! ちなみに、この日本で初めてのミュシャ展、
1978年(昭和53年) 新宿の伊勢丹で開催されたんですが、
大学3年生だった私が一緒に見に行ったのが、今回も一緒に見た友人です。

1978年のミュシャ展チケット
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この《桜草》1899年 今回は展示されていませんでしたね。

 幾度も巡回展を開催し、日本中にミュシャの魅力を伝える夢は叶ったものの、 美術館開館の夢半ばで父は急逝しました。‥‥(中略)‥‥私たち遺族は 散逸を避けるため、恒久的な美術館開館の夢を託し作品の大部分を 「ドイ・コレクション」として堺市に寄贈しました。

ポスターだけでなく、ミュシャがデザインして
宝石商ジョルジュ・フーケが制作した《蛇のブレスレットと指輪》や、
暖炉のマントルピースに飾るために制作された鏡を囲む
《ウラロフ・ミラー》1903-1904年
《クオ・ヴァディス》1904年、《ハーモニー》1908年 といった
華やかで装飾的なミュシャらしい油彩画もあって、
充実したコレクションだったんだ!! って。

【Ⅱ 世紀末の祝祭】では、
1900年パリ万博の「ボスニア・ヘルツェゴヴィナ館」壁画の下絵 1899-1900年
墨で描かれた線がまるで少女漫画のようにロマンティックで上手いなって、
友人と感心して見ました。
Mucha-(2).jpg

そしてプラハ市民会館の「市長の間」の装飾を委ねられたミュシャが描いた
果樹園で働く人々の上を飛ぶワシを描いた天井画《スラヴの連帯》1910-1911年
ペンデンティヴ(天井を支える壁の隅にある三角形の部分)に描かれた
公徳をチェコの歴史的人物に託して擬人化した8点の絵画が
展示されていて、文字も含めたデザインセンスすごいなって感心しました。

【Ⅲ 独立のための闘い】
ミュシャが故郷チェコに戻ってからのポスターや、
チラシ裏面にも使われている《ヒヤシンス姫》のポスター 1911年
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2013年に名古屋・松坂屋美術館で見た「知られざるミュシャ展」でも
チラシのメインビジュアルで使われていました。(感想が書けておりませんが)
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こちらはリトグラフの冊子挿絵とのことで、微妙にイメージが違いますね。
「父とドイ・コレクション」で書かれていましたが、
リトグラフは同じ作品が複数存在し、色調や退色の状態で雰囲気が異なります。 ドイ・コレクションに統一感があるのは、このような父のセンスとスタッフの尽力によるものだと思います。
今回、ドイ・コレクションのポスターを見て、あらためてこれらのポスターの
状態が良くて美しいことに気が付きました。
岐阜県現代陶芸美術館「アール・ヌーヴォーの装飾磁器」展 で、
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2016-04-28
《ジスモンダ》のポスターが参考作品として展示されていたんですが、
こんなに落ち着いた色調のポスターだったかな?って思ったんです。
京都工芸繊維大学美術工芸資料館蔵のものでした。

「知られざるミュシャ展」は、ミュシャの祖国チェコの
個人コレクション(チマル・コレクション)を中心とした展示で、
ミュシャが有名になる前の素描や天井画のデザイン、挿絵、
そしてチェコへ戻ってからの《スラヴ叙事詩》の習作なども展示されて
興味深かったです。(この展覧会、全国各地を巡回しました)

プラハで開催された《第8回全国ソコル祭》のポスター 1925年
そのソコル祭のパフォーマンスとして計画された
《同朋のスラヴ》の構想スケッチ 1925-1926年
この壮麗な野外劇は、初日の開演直後の嵐と洪水で中止になり、
実現しなかったそう。

そして、ミュシャ(ムハ)が新生国家チェコスロバキアのために
無償でデザインした切手や紙幣も展示されていました。

あ、これ「OGATAコレクション」って、
清須市はるひ美術館「アルフォンス・ミュシャ デザインの仕事」展
http://shizukozb.blog.so-net.ne.jp/2016-08-28
で展示されていた尾形寿行氏のものですね!!

最後のコーナーが【Ⅳ 習作と出版物】
ポストカードや書籍の表紙などが展示されていました。

そしてショップ!! 当時からミュシャのポストカード等は
人気だったそうですが、このショップも大変な混雑でした。
展示室は絵が大きいこともあって、まだ見られたんですが、
ショップは人が群がっていて、ろくに商品が見られないんです。
レジ待ちの人の行列も長い(でも草間彌生展よりはちょっと短かったかな?)ので、
グッズはあきらめたんですが、図録だけは欲しいなー、ネットで買えないかな
って思ったら、地下のミュージアムショップでも図録は販売しているって
案内があったので、国立新美術館B1のミュージアムショップで購入しました。
(こちらは4、5人待ちで買えました) 2,400円(税込)でした。
Mucha-(1).jpg

公式図録、全国の書店でも買えるし、
通販サービス「朝日新聞SHOP」でも購入できるそう。
https://shop.asahi.com/products/detail.php?product_id=1013

《スラヴ叙事詩》全20作のカラー画像はもちろん、詳しい解説のページもあり、
アール・ヌーヴォー時代の華やかなポスター等も収録された
これぞミュシャ! って充実の図録です。
2,400円はミュシャの本としてもお値打ちなのでは?!

楽天ブックスでも買えます
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ミュシャ展 [ 国立新美術館 ]
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本当に、東京まで見に行けてよかったーーって展覧会でした。

国立新美術館: http://www.nact.jp/
「ミュシャ展」展覧会ホームページ: http://www.mucha2017.jp/

--オマケ--
堺 アルフォンス・ミュシャ館(堺市立文化館): http://mucha.sakai-bunshin.com/
ミュシャ展の期間中を含む2017年2月6日(月)~6月30日(金)は、
空調設備更新や収蔵庫改修などの工事のため臨時休館しているそうです。

過去の企画展のチラシ
「ミュシャとコスチューム」平成28年3月12日(土)~6月12日(日)
Mucha-sakai2016.jpg
国立新美術館には《椿姫》のポスター(1896年)来てなかったですね。

「ミュシャのデザイン集 装飾資料集」2013年3月16日(土)~7月7日(日)
Mucha-sakai2013.jpg
『装飾資料集』1902年 も、国立新美術館では展示されていませんでした。
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チラシ裏面の《蛇のブレスレットと指輪》1899年 は展示されていましたが、
その下の、ミュシャ様式の代表作のひとつと言っていい《夢想》1898年は
展示されていなかったですよね?!

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